03/23/04
平和憲法と国の安全6・・・・憲法52(有事即応体制と外交)
アメリカ軍完全撤退の場合、自国の安全を守るにはどうすれば良いのでしょうか?
さしあたり、アメリカ(時の覇者)と同盟関係を維持しておいて、何かあったらすぐ応援にきて貰えるようにしておくのが次善の策でしょう。
緊急時におまわりさんに泊り込み警備してもらっていたのが、状況が落ち着いたときに、「何かあったらすぐ来ますから」と一旦交番に引き上げる関係です。
それにしてもその場合、少しは戸締りする必要があるでしょう。
どこかの国と険悪な関係になったとしても、戦端が開かれるまでには、半年前後以上はあるものですから、アメリカと緊密な関係があれば、若干の兵力の維持だけで、駐留していなくとも有事即応体制で、何とかなります。
とてもじゃないけど、アメリカの意向を無視して中小国が海をわたって日本に攻めてはこられませんよ。
虎の威を借る狐の故事みたいで、沽券にかかわる人もいるでしょう。
しかしやはり、狐は利口なのです。
一々自分でケンカしていたのでは、身が持ちませんよ
中国でさえ、アメリカを無視して目の前の台湾を攻められないまま、半世紀も過ぎたのです。
要するに「国際世論(今のところアメリカ)に反しなければ、自国の安全は保たれる」と言う時代認識のほうが現実的どころか現実そのものです。
そこで次の問題は、アメリカ頼みだと、肝腎のときに相手方についてしまわないかという問題ですが、それは結局は軍備の有無ではなく、外交戦の問題です。
これを心配してアメリカが相手方についても「自前だけで戦える軍隊が必要」と言う意見は、突き詰めれば、「外交的に孤立しても世界を相手にもう一度戦おう」と言う考えに行き着きます。
相手国に付かなくとも、アメリカが中立で動いてくれない場合どうするのかと言う疑問があるでしょう。
アメリカないし時の覇者が、本当に中立のままで戦端が開かれるでしょうか?
世界中が中立であれば、喧嘩両成敗法でないけれど、ともかく国連の仲裁が成立して、割って入る・平和維持軍の出番となるでしょう。
アメリカないしその他の主要国が中立を装った実質敵国になる場合が(外交的に日本が孤立)怖いだけではないでしょうか?
結局は、戦力ではなく外交の問題です。
以上のように考えると、アメリカの傘の下に入って、(と言うことは世界の孤児にならず)武力放棄をする選択は、決して空想の世界ではありません。
まして半端な戦力を持っていると、元寇のときの高麗軍や滅ぼされたばかりの南宋軍のように先兵となっていつも駆り出されるだけですから、半端な戦力は持たないほうが得なのです。
我が国では、戦国時代に今川に従属していたばかりに、戦になるとその先陣ばかりやらされて悲惨な目にあっていた岡崎の松平家(家康の親です)の例があります。
完敗したついでに、もうこれ以上負ける心配はないのですから、明治時代には怖くて出来なかった諸国民の信義に頼ることにして、自発的に武力まで放棄してしまったのは賢明でした。
おかげで、日本は朝鮮戦争でもベトナム戦争でも、駆り出されずに済んだのです。
完全にアメリカ軍がいなくなれば、一定の自衛軍の常備は必須ですから、いざというときに応援してもらう為には、こちらも時にはお返しをしなくてはならなくなってきます。
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:憲法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:米国、合衆国、アメリカに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:歴史に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:江戸に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:戦前に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:戦後に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:武断に関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
