03//03/04

スポーツとは?1

ところでスポーツとは何でしょうか?
政治的不満の捌け口として、政治家がガス抜きに考え出したのがスポーツだったかもしません。
とんでもないことを言い出す奴だと、世界中の何千万というスポーツ愛好家に総すかんを食うかもしれませんが、何千万人もこのコラムを読んでいませんので、まあ、いいでしょう。
スポーツの歴史を考えて見ると、元はといえば、子供の体を動かす遊びやケンカから発達したように考える人が多いと思いますが、その段階ではスポーツとは言わないのではないでしょうか?
この段階から、お祭りの踊りやその他の行事に発達したのでしょうから、未分化の段階です。
相撲を考えても、子供たちがじゃれあって、くんずほぐれつしている段階では、柔道やその他の格闘技と区別がつかない未分化状態です。
スポーツといえるようになるには、一定のルールの発達があって勝敗や、優劣が判定出来る状態になって、しかもその優劣そのものを目的として競うときにはじめてスポーツといえるもののようです。
どんなことをしても勝てばいいという状態では、スポーツとは言えないのです。
スキーも山登りも、生活手段として行っている限り、スポーツではありません。
ヒマラヤのシェルパ達は、以前から山に登っていたかもしれませんがスポーツとして登山しないから登山家といわれませんし、ヒマラヤ登山の記録者になれなかったのです。
ただし、私のような批判精神(おかしいんじゃないの?・・・後に書きますが今では生活のためにスポーツする人が対象の時代です。)が、勢いが出たらしく、ヒラリー卿と一緒に登った地元民もいっしょに登山者と言われるようになったようです。
「無目的であることに意味がある」というスポーツ精神が、何故発達したか、「無駄なことに血道をあげる」ようになったかが、今回のコラムのテーマです。
オリンピックのアマチュアリズムは、こうした「無駄でなければスポーツではない」という精神の歴史に負っているのでしょう。
私は、スポーツという無駄なものが、無駄であるがゆえに賞賛されるようになったのは、武芸全般が、時代の変化で無用になったときに、単に「もう用がないから、あなたは失業しなさい」とは言い切れなかったために生まれてきたものであると言う仮説です。
これが下層労働者ならば、雇用のミスマッチとか言って横文字で済ませられるでしょうが、近世の初期には、前世紀の功労者でしかも武力を持っているのですから、「気の毒だが、時代が変わったのでね・・・」と澄ましていると政情不安定となってしまいます。
何しろ武力保持者は、人類の歴史始まって以来、ずっと尊敬されてきましたし、支配階級の構成者でもありました。
この何千年の歴史が、近世になって文治政治にいきなり変わってしまったのです。
太平洋戦争後、天皇制価値観の転換したショックといいますが、憲法発布・ないし教育勅語から数えて僅か半世紀の付け焼刃、せいぜいメッキのはがれるショックでしか有りません。
それに比べれば、近世に入って、太古以来の武芸尊重の価値観が崩壊したショックは天地がひっくり返るほどのものだったでしょう。
何しろ、未だに人の評価としては、勇敢とか卑怯者、強い弱い、意気地なしなど強者に対する賞賛表現は枚挙に暇がありません。
宮本武蔵に代表されるように、草莽の士でも、武芸に秀でることが、立身のチャンスと思われていたのです。
徳川政権樹立に功のあった福島正則その他武断派の人たちは、徳川の天下になった途端に「あんたもう用がないよ」といわれても直ぐには納得できません。
宮本武蔵もやっと天下の第一人者になったころには、時代が変わっていたのです。
まさに「馬上少年過ぐ・・・」と嘆いた伊達政宗の心境は、同時代人の共通の心境だったでしょう。
武蔵は「五輪の書」を書いて哲学者になるしかなかった時代です。
誰でもこの時代に生きた人は「俺の人生何だったのだろう」と哲学的になりますよ。
そこまで頭の切り替えが出来ない人は、旗本奴白鞘組で有名な水野十郎左衛門のように無頼になるしかなかったのです。
この切り替えの出来ない人が殆どですから、政府は放置できませんので、スポーツ振興政策が生まれたというのが私の仮説です。


今日の読み物間連:




関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

稲垣法律事務所コラム内:スポーツに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:文治に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:武断に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:権力に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:江戸に関するコラム


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資