03/11/03

遺留分2(機能1)(民法50)

戦前は、家の財産を守るために『遺言するなんてとんでもない人だ』みたいに教育して、出来るだけ遺言しないように誘導していました。
万一、そう言う非難にめげずに法律上の権利を主張して遺言したとしても、戸主による自由な財産処分権を制限するための砦として遺留分制度があったのです。
戦後改革で、家族制度が廃止されて、諸子均分相続になってみると、逆に、長男単独相続を温存するために有効だとして、遺言が奨励されるようになりました。
遺言の機能が正反対に変わったのです。
そうなりますと権力志向のマスコミも宣伝するようになりました。
その結果、遺留分制度は、一時期、家産流出防止機能から流出促進機能へ逆転し、戦後民主主義の定着のための機能を果たすようになった感があります。
ただし、ここ何十年かは、都市住民が人口の過半を占め、2代目3代目の相続になって来ましたので、もはや、家の財産とか先祖代々の家産などと考える人は少なくなってしまいました。
そうなりますと、本来の『財産処分の自由』と言う感覚に基づく遺言が主流になって来るべきですし、またそうなりつつあります。
現在は、戦後の諸子均分相続を守るか、古い家の観念を温存するかの争いの時代も通り越して『財産処分の自由と、実質的権利者(配偶者の権利など)の権利との調整をどうするべきか』と言う純粋な法律論になるベキだと言うのが私の考えです。
あちこちのコラムで書いていますが、保守革新の争いは今でも有りますが、時代の主流ではありません。
こうした時代認識については、「消費者問題」又は「民法の限界」「憲法の限界」などのコラムで連続して書いていますので、サーチで検索して併せて読んでみて下さい。
自分達で(夫婦)ローンをやっと払って手に入れた家や財産を、どう処分しようと自分達の勝手だと言うのが今の都市住民の大半ではないでしょうか? 資産形成になんの貢献もせず恩。
を受けて来ただけの相続人(子供)が、父母のした遺言の効力を自分の遺留分を侵害している限度で無効とし、取り戻せる現在の遺留分制度は、合理的か否かを考えるべき時代になっているのです。

 


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