03/09/03

遺言の効力3(民法48)

桃の節句の話題から、何日か法律のコラムを休みましたが、また再開です。
遺言の効力は、遺言者の死亡によって発生します。(民法985条1項)
遺贈の場合も特定の財産の贈与ですと、学説は別れていますが、判例通説は、物権的効力説ですから、受贈者に死亡と同時に所有権が移転する事になります。
民法964条の条文を『遺言の効力のコラム1』で紹介しましたが、条文中の『但し、遺留分に関する規定に反する事ができない。』と言う但し書きの意味をこの機会に説明しておきましょう。
遺言2のコラムでは、『・・・する事ができない』と言う条文の意味は、やるのは勝手だけれども、その効力を認めないと言う意味であると説明しました。
では、この規定も同じ書き方ですので同じ意味と考えていいのでしょうか?
今回も書き方は同じなのに、そうではなくて、遺留分の規定に反する遺言でも、遺言どおり効力がそのまま『一旦』発生するのです。
遺留分を侵害された人が、一定期間内に、自分の権利を守るために、行動を起こして始めて、一旦生じた遺言の効力が、遺留分に反する限度で無効になると言う仕組です。
権利者が一定期間内に、何もしなければ、遺言どおり権利関係が確定してしまうのです。
一応効力が出るのと初めから全く効力がないのとでは、大きな違いがあります。
一旦効力があれば、大きな既得権ですので、遺言は遺留分制度によって限界があると言っても、かなり弱い限界線だと言えるでしょう。
遺留分と言うのはどう言う権利でしょうか?次回から見て行きましょう。




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