03/06/08

桃の節句4(社会の近代化と伝統行事)

明治政府は、欧米との不平等条約を撤廃するために、無理して近代法を導入しました。
社会の仕組みが整っていないために、法律の文言どおりの効力を認めると、不当な結果になる事例が多く、信義誠実の原則や権利の濫用法理が発達しました。
役人は役人で、幕末以来、表向き採用しては、実際には何かと使い難い条件をつけて外圧を防ぐ事が習慣となったのでしょう。
こうしてみると、役人が骨抜きにすぐれているのは結構歴史があるものですね。
所有権を認めても、遺言・遺留分制度で何とか家の制度と矛盾しないように工夫していた事は説明して来ました。
つい最近まで、関税を撤廃しても、非関税障壁をもうけて何かと輸入し難くして来たのも、その一例です。
そのように苦労していた政府としては、近代化を急ぐためには、伝統行事を早く抹殺したかったのかも知れません。
鹿鳴館時代に象徴されるように盆踊りは廃れてもいいから、西洋風のダンスを早く国民に普及したかったのでしょう。
列強と伍して行くためには、なりふり構わずヨーロッパ化する必要があったのも事実ですから、私はそうした努力を非難するものでは有りません。
ただ、意識の近代化・近代法の適用可能性は、社会の仕組みの基本となる経済実態の近代化の上にこそ、育つのであって、伝統行事を圧迫したから言って社会が近代化するものでは有りません。

 
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