03/22/02

老後の人生と資産管理について 3

前回のコラムで、後見人、保佐人、補助人の3種類の制度を説明しました。 こうした保佐人等になるのは、どう言う人が適任でしょうか? 従来と言うよりも、昔と言った方が正確かも知れませんが、一族の中で元校長先生をしていた等々立派な人が、後見人になっていた時代も有りました。 しかし、最近では親族どころか、親子でさえ遠くに離れて住む時代です。 そのうえ、後見などの制度の必要性は、法律行為と言って重要な財産処分などをするに付いての、法的能力の不足を補うものですから、たとえ立派な宗教家や科学者が、いたとしても法的なチェック能力が有る訳では有りません。 20年程前に扱った遺産分割の事件でこう言う事が有りました. ある資産家が亡くなって、年老いているが、しっかりした母親が大きな屋敷に一人で住んでいる。 子ども達は、会社の経営者、大学教授等々で、一家言が有り、話し合いはたいへんでした。中でも難航したのは、母親の住む屋敷の扱いでした。 母親の相続する屋敷が、母と仲良くしている子に、生前贈与または、遺言で取られてしまう、と言う不安から、母親が財産を処分出来ないように、屋敷に子ら全員の仮登記をつけさせろ、と言うものでした。 私はその時、『お母さんは、自分の意思で家を売って、老人用のマンションに移り住みたいと言う事が有るかも知れないし、南極旅行をしようと、再婚しょうと、勝手じゃないですか。そもそも母親の固有の権利を、皆さん何と考えているのですか?』と言った事が有ります。(夫の残した遺産は、貧しかった夫婦が、力を合わせて築きあげたものです。) この例で解るように、子供と親世代とは、利害対立が有る為に(子供は、少しでも財産を残してもらうのが利益で、母や父は、財産を少しは残してやりたい、とは思っても、残す事が目的ではなく、豊かな老後を送るために、場合によっては財産を処分してでも、永年の夢を叶えたい時が有ります。) いまでも、『家を売って、死ぬまで見てくれるマンションに入ると言うと、なんやかやと、息子が反対するがどうしたものか。』という相談が結構あります。 このように、身近な人が保佐人等になるのは、利害関係が有るので(保佐人の同意が必要な行為は、主に不動産処分等ですので、相続予定者と利害が対立し勝ちです。)本当に本人の為になるかという観点からは問題が有るのです。 これからの老後は、息子や娘の世話にならない、なれないと言う時代がやって来ました。その時代にあった資産管理、すなわち、誰とも利害のない、しかも、法的処理の専門家への委託が必要な事がお分かりになったでしょうか。




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