02/24/08
刑法96(証憑湮滅罪)から証拠隠滅罪へ)
この漢字「湮」は、つい何年か前に刑法が口語化されるまで証拠隠滅罪の隠の前身・・現役として使用されていましたので、我々法律家には親しい漢字です。
文書を偽造変造まではしなくとも、(湮とは隠す意味ではなく)水に溶かして分からなくする・・昔は墨で書いていたので濡らしてボカシテしまえばおしまいだったのでしょう。
刑法旧規定(平成7年改正前)
第7章 犯人蔵匿及ひ証憑湮滅の罪
旧第103条[犯人蔵匿]
罰金以上の刑に該る罪を犯したる者又は拘禁中逃走したる者を蔵匿し又は隠避せしめたる者は2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処す.
旧第104条[証憑湮滅]
他人の刑事被告事件に関する証憑を湮滅し又は偽造、変造し若くは偽造、変造の証憑を使用したる者は2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処す.
では、現行法では隠になったので、証拠文書を隠さないで、水でぼやかして読めなくした場合、無罪か?ということですが、結局効用を毀滅することが処罰対象という解釈が定着している・・?ので、漢字の意味から離れても大丈夫ということかもしれません。
それに元々そのときの刑法の改正は、元の意味を全く変えずに、口語化するだけと言う約束で始まったものですから、文字が変っても、それまでの解釈は変わらないという運用になるのでしょう。
こうした文字の変更が微妙な差を生じさせている例としては、09/26/07
「文語体から口語体へ(刑法)」と賭博罪のコラムでも紹介しました。
現行刑法
(証拠隠滅等)
第104条 他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
(親族による犯罪に関する特例)
第105条 前2条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる
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