02/20/08

封禅と禅譲2

ところで、わが国では、山をご神体とする信仰が有りますが、古代中国でも立派な山をご神体として、その伺いをたてる習慣があったのでしょうか。

勿論、山自体何も言いませんから、その代弁者・・神勅を語る職業・・日本の巫女のような職業があったのか、帝王自身が儀式を行い・神意を得たと宣言するのでしょう。

秦の始皇帝や漢の武帝が行った・・勿論それ以降も多くの皇帝・・たとえば玄宗皇帝も行っています・・・泰山で行ういわゆる封禅の儀式の原型がこれでしょう。

ただし、始皇帝以降歴史に残っている各封禅の儀式は、帝位を獲得した現権力者が、自己正当化のために行う儀式となり、玄宗やその前の高宗だったかの儀式では、正当化というよりは既に確立した帝威を誇示する色彩の方が強くなります。

もしも三皇五帝の段階からこの種の儀式があったとすれば、現在知られている秦の始皇帝や武帝らの行った封禅の儀式より、その前段階の儀式・・誰を次の帝王にするのがよいかのお告げを聞く儀式が最初にあって、これが現権力正当化のための封禅の儀式に転化したものでしょう。

封禅の儀式は、三皇五帝の時代から始まったと史記に書かれているそうですが、神話時代なのでその内容が不明との事です。

戦国乱世を経て、史記・あるいは書経の完成・作成時代の「帝王の易姓・承継はかくあるべし」と言う思想で創作されたものでしょう。

多分、封禅の儀式で天と地の意を聞く仕来りから、封禅の儀式を経て異姓に帝位を譲る・・禅譲という帝位継承の形式が生まれたものでしょう。

そもそも、禅譲の形式は孔子・・儒家の理想とする考えをあらわしただけかも知れず、古代とは言え、本当にあったのかどうかさえ怪しいものです。

孔子・・儒家の理想から言えば、武力・権力闘争で勝ったものが、帝位を獲得・簒奪するのは認められませんから、こうした天地の声を聴く儀式が昔からあったとしたかったのでしょう。

 



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