02/04/08

歳と年の違い2(年齢表記1)

年数を数える単位としては、歳星紀年法が自然消滅して以来「何年」が普通になって何歳は顧みられなかったのですが、星辰の言い回し同様に滅多に使われない分、歳を使うと何となく勿体を付けた言い方になります。

文人が、勿体付けて詩文中に「・・・何歳なり・・」などと表現するくらいでした。

わが国でも「お歳暮」や人の名前など勿体付けるときにだけ使われるようになり、日常用語から姿を消したのです。

実際に、シンモンの辰五郎や土方歳三では意味不明の名前ですが、不明な分、かっこいいと思ったのでしょう。

人の死でもそうですが、「死んじゃった」というと何となく即物的で失礼な感じですから、亡くなったと言いますし、偉い人には、薨去とか、逝去などいろいろ難しい言い回しになって行きます。

意味不明だと何となくありがたく思うのが、私のような無知な庶民の人情です。

そこで、相手の年を聞くには、何年?と聞くと、即物的で実も蓋もない感じですから、「何歳」になりますか?というと、言われた方が何となく偉くなったような気がするものだから、こうした言い方が普通になったのでしょう。

前回末に書いた起訴状の表記ですが、明治の法制では、検事はとても偉い人でしたから、庶民に対して婉曲的あるいは持ち上げた表現をする必要がないということから、「当何年」とずばり書く流儀になっているのではないでしょうか?

明治期での検事の権限については、07/31/05「検察官3(行政庁優位2)」前後で裁判の監督までしていたことを紹介しました。

また、裁判官自体が各県に一人前後配置するのがやっとの時代ですから、その監督をする検事の権限も当時は、今の県知事と対等の格式を持っていたことは想像に難くありません。

フランスの小説などで、県知事など地方領主と検事が対等な格式で出て来るのは、こうした背景があるからです。

元々検事とは、地方任命官吏の不正を検断する役職ですから、言うならば地方長官よりも上に立つ関係です。

各地への裁判所設置の経過については、07/25/05「明治以降の裁判所の設置6(大審院と3審制の確立)」前後で説明しました。

検事はものすごく偉かったのです。

ところで、年齢をどのように表現するかについては、法律上の決まりはなく、年齢の単位をどのように表現しようと各人の勝手です。

 



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