02/28/07
資本収支と金利・・為替相場1
ここで、国際収支上の資本収支とキャピタルゲインの関係を書いておきましょう。
これまで書いてきたのは、資本取引による収益・キャピタルゲインであって、国際収支で言うところの資本収支とは違いますので、ここで念のためにその区別をするために書いておくのです。
日銀の超低金利と量的緩和政策などによって、資本が海外投資に向かっている実状を、01/18/07「紙幣と国債2(超低金利と世界の株高)金利調節機能の低下」前後で紹介してきました。
これに加えて、トヨタなど世界企業が現地進出にあたって、当然海外への資本投資して行きます。
こうして、日本からは、資本収支としては、莫大な資金が海外に流出しているので、国際収支で言うところの資本収支は、大幅赤字(資本が出て行くばかり)になっているのです。
後進国で資本収支が黒字の国と言うのは、外国資本がそれだけ入っていると言う意味で、将来は、利子・配当を払わねばならない関係です。
こうしてみると、我が国の資本収支による海外累積投資額は、長期的に収支を合計したり、内容を分析しないと分からないことになります。
例えば、ある年の資本収支が赤字だからと言っても、その年に海外へ投資したから資本が出て行って赤字なのか、その前に海外から日本に投資されていた資金が引き上げられたから、赤字なのかが分からないからです。
資本収支の赤字と言うのは、こうした意味ですから、長期的計算とその内容分析が必要でしょう。
日本の場合には、外資導入が殆どなく民族資本中心ですから、考えようによっては、資本収支の赤字の殆どが将来の所得収支(その殆どがキャピタルゲインです)の黒字の元手になる面もあるのです。
そうは言っても、企業進出のような資本導入が滅多にないというだけであって、株式市場での外資の買い越しがあるので複雑です。
つい最近のG7会合で、ユーロに対する円安批判が水面下でありましたが、これが表面化できなかったのは、最近の超円安は、日本の超低金利によるところが大きいからです。
日本の安い金利・・0・25%で借りて、例えばアメリカの5・25%で運用すれば、黙っていても年4,5%の収益を挙げられるのです。
公定金利で実際に借りられるわけがないので、これは計算上の話で実際には、この倍とか2・5倍の率の場合もあります。
たとえば、日本の銀行で、公定歩合の倍の5%で借りてアメリカに持って行った投資家が、アメリカの銀行で11%で借りている人とアメリカや国際金融市場で競争すれば、明らかに日本で資金調達した企業の方が有利でしょう。
これまでは、貿易黒字の累積イコール円高と言う相場の流れでしたが、今は貿易黒字によるドルやユーロの獲得・蓄積を上回って海外に資金が流出しているのです。
これが資本収支の赤字で現れているのです。
このようにして、世界中の投資マネーが日本で借りたお金で諸外国に投資する構図が出来上がっているので、日本から大量に円が流出しているので、バブル崩壊後でも日本の貿易黒字が続いているのに、円安に振れているのです。
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