02/23/07
キャピタルゲインの時代6(社債発行2)
社債の場合は、いかに大量に発行しても、あくまで債権者でしかないので、法的には議決権のない株式と同じで、会社支配権には関係がないのも、経営者には便利なのでしょう。
発行のための法的制約も、昔は企業に信用がなかったので担保付社債と言うのが原則でしたが、今はそんな制約も有りませんので機動的に出来る便利さもあるのです。
(その代わり、格付け会社が発達しています。)
ただし、新株発行条件も私が司法試験を勉強したころに比べれば、繰り返しの改正で時価発行の導入以来、社債同様にその自由度は大幅に上がってきましたので、機動面での法的制約の差はかなり縮まっています。
こうなると、今の社債発行の大流行は、超低金利の影響と安定株主志向の方が大きいのではないかと思います。
0・00何%と言う金利社会(公定歩合としてはゼロ金利時代です)では、金利の支払いが怖いと言うよりも、発行コストだけが問題・・紙幣の印刷費用と同じ考え方と言う変な時代になっているのです。
発行企業とすれば、このような低金利なら50年でも100年でも期間が長いほうが良いのですが、買う方の立場では、数年後に金利が上がるかもしれないと思うので、そんな超長期では怖くて買い手がつきません。
その折り合いで、結局は値下がりしてしまう・・100円額面の社債が、30円〜40円でしか売れないなど調整されてしまうので、割高な発行になってしまいます。
そこで、あまりにも金利の安いときには却って、短期の社債しか発行出来ないと言うジレンマになっているのです。
こうして、大手企業では、社債借り換えのために絶えざる資金調達・市場評価が必要なのです。
近年、決算の粉飾・・・公認会計士の監査の正確性が大きく報道されるようになったのは、こうした市場からの資金調達の時代に変ったのに対して、会計慣行や人間の意識がついて行けていない問題です。
帳簿は経営者の実情把握のためにあるのではなく、資本家の投資判断のためにあると言う時代転換について行けないのです。
たとえば、私の事務所や個人事業者の帳簿は、外部から投資してもらう予定がないので、自分の経営判断のためにあるのであって、これを外部の人や税務署のために整備しているのでは有りません。
これを、たまたま税務署も流用したがっているだけです。
しかし、もしもこれを第3者に譲渡したり担保にするなどの場合には、その目的にあわせた正確性が要求される筈です。
社債発行や株式の売買は、企業価値を正確に把握した上で行なわれるべきものですから、その前提が揺らぐと現在社会組織が成立たないのです。
言うならば交通標識が出鱈目では、交通が混乱するのと似ています。
企業会計帳簿は、交通標識や道路のような重要性をもっていると言う認識が、関係者には欠けていると言うか、意識がまだついて行けてないのです。
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