02/21/07
格差社会3とアメリカンドリーム 1(中間層の消滅2)
私に限らず多くの弁護士が相談に乗っている現場労働者では、(宅急便の配達やコンビに配送、あるいは現場労務者など・・・)いくら働いても、妻子を抱えていると食うのがやっとで、どうにもならないのが現実です。
こうした階層では、ちょっとでも家族にアクシデントがあると、直ぐに行き詰まってしまうので相談に来る人が増えているのですが、彼らの生活を見ていると、何のアクシデントがなくとも、どうあがいても底辺から脱却出来ない位に貧しくなっているのです。
うまくいって、脱落しないで、今後何年やっていけるかと言う水準の生活ですが、宅急便の若い人は、寸刻を惜しんで荷物を持って走り回っていますが、こうした敏捷な仕事は中高年令化し、老化したら無理でしょう。
ただし、独身のままですと運転手の給与で生活はまあまあですから、これが独身率の上昇原因になっているのです。
こうした点から、結婚しない人や子供を産まない夫婦も増えているのですが、(運転手でも、現場作業員でも、一人で全部小遣いならリッチです)この点は、後に負担の公平化の観点から別に書きます。
勿論、婚姻率の低下や出産率の低下については、これまであちこちに書いてきたように、いろいろな要因がありますが、底辺層にとっては、生活苦もかなりのウエートを占めているのです。
アメリカン・ドリームとは、最底辺からの脱却は普通にはあり得ない・・・夢のまた夢と言う社会を、如実に表わしたことばでしょう。
一見アメリカに夢があるような熟語ですが、実は夢しか見られない社会と言う意味ですから、決して、良い社会では有りません。
このまま、病気も失業もしないで、やっと無事に現役を終われても、老後資金の蓄積までは当然無理ですから、老後は多分生活保護しかないのです。
彼ら底辺層では、働き盛りのときでもとても家など買える資力はありませんし、ましてや老後の貯蓄までは手が廻りません。
02/05/07「生活水準の国際的平準化5と生活保護2(施策の柔軟化1)」のコラムで、実例を紹介しましたが、仮に、漸く1000万円ほど貯めても、20〜30年もの長い老後をその貯蓄だけでは食べてはいけないのです。
ヤマト運輸など大手では、まだしも厚生年金に加入しているかも知れませんが、末端の零細運送会社の運転手になると、老後の年金も何も加入していないのが普通です。
かと言って、現在の生活費がやっとですから、自分で国民年金の支払いをしている余裕がないので、殆どの人は、公的年金の受給資格すら無いのが普通です。
国民年金を漸く払っても家がなければ、月6万円前後しかくれないのでは食べていけない点は、同じです。
国民年金制度と生活保護の関係については、12/16/06「国民年金制度と生活保護(モラルハザード防止3)」で紹介しました。
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