02/20/07

生活水準の国際的平準化11

ところで、国際平準化の過程では、2月11日・・・・・3「生産性向上と便乗値上げ1」のコラムで書いたような、生産性の低い分野での便乗値上げ・・・所得のおすそ分け機能がなくなってきます。
上記コラムで書いたように、便乗値上げの構図はお裾分け精神によって、格差を緩和する社会でした。
格差社会については、この後に書く予定です。
おすそ分け精神の基礎は、稲作農耕社会では、集団行動が原則ですから、横並び・・誰の個人的力量によって収入があったのかはっきり分からない社会です。
・・・何かで成功しても
    「俺は偉いんだ」と自慢せずに「(皆様のご協力の)お蔭様で・・・。」
と感謝する社会意識に、おすそ分けの基礎があるのでしょう。
これが急激な経済発展の時代に取り残されている農家や、その他の旧来型産業従事者の貧富の格差拡大を防ぎ、1億総中流時代を形成・・演出していたのです。
あるいは、地域格差で言えば過疎地対策や国土の均衡ある発展の思想です。
グローバル経済化以降は、おすそ分け機能どころかその逆回転(スパイラル)機能が働き始めていますので、低生産性分野はストレートに実力どおりに低収入にならざるを得ませんので、なだらかなピラミッド型構成社会が維持できなくなってくるのです。
他方で、横並び社会からの脱出で成功したものは、自分が成功したとおりの収入を得て、おすそ分けを拒否する社会意識が発達してきます。
(ただちに、おすそ分けゼロとまで主張するのではなく、今のところは御裾分けの比率を減らしたいと言うところでしょう。)
青色発光ダイオードの発明者による適正な対価を求める訴訟は、発明対価を会社全体での利益享受・・・おすそ分けよりは、その個人が自分の貢献に対し、貢献に見合った利益を得たいと言う主張ですが、まさにこうした時代変化の象徴と言うべきでしょう。
これに対し、ノーベル賞の田中さんが国民的人気を博したのは、個性が癒し系であったばかりではなく、個人的利益を全く要求していなかった・・全社的ひいては日本全体の利益に帰するのを、前提にしていたからではないでしょうか。



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