02/18/07

懐旧思想(横並び意識)と愛国心

以上見てきたように、古来からの醇風美俗と言っても古来からの生活様式から生れて来たに過ぎないのですから、生活様式が変わればこれも変わるのは当然です。
愛国心や醇風美俗などにこだわるのは、こうした過ぎ去った過去・・残像を追憶したい人間のロマン・物語と現実の必要性をごっちゃにしている人ではないでしょうか。
時代遅れになる焦りから、愛国心教育などにこだわって、巻きかえそうとしているのでしょうが、こうした意識は政府が強制して根付くのではなく社会構造から自然に生まれてくるものですから、無理があるのです。
意識、行動形態の差異については、今では住んでいる場所よりも各人の職業差のほうが大きいことを、03/13/06 「わが国封建制度の実質(地方の独自性とは?)1」、12/13/05「漢民族の広がり?3・東西移動から南北移動へ1」などのコラムで書きました。
個人としてロマンを追うのは、その人の自由勝手ですが、冷徹な政治・経済の世界にロマンスを持ち込んで、国民全部に強制していると、負けが込んでしまい、日本経済が持たないでしょう。
ローマン主義とは、読んで字のとおりに遠い過去・・ローマ時代を懐旧する思想?好みのことでしょうから、文芸の世界・・個人の好みにとどめるべきであって政治に持ち込むのは間違いです。
「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ・・・」こうした叙情に浸るのは、個人の心情世界にとどめるべきでしょう。
田舎から大量に都会に出て来た高度成長期には、江戸から明治変わったときと同様に、牧歌的な田舎の生活・・心象風景を懐かしむ人が多く、啄木や室生犀星など故郷や田舎のよさを謳いあげた詩集が好まれたのでしょう。
(三橋美智也の別れの一本杉など当時一世を風靡したいろんな歌も同じ傾向でした。)
江戸から明治に急激に変わっていくときに、古き良き?時代を懐旧したくなるのは、当然ですが、だからと言って藤村の時代・あるいは戦後の高度成長期に社会組織を江戸時代に戻すべくもなかったのと同じです。
政治と言うのは、他者に強制することですから、趣味・嗜好に属することを政治に持ち込むこと自体が邪道なのです。



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