02/15/07
生活水準の国際的平準化9(物価下落とその影響)
ところで、バブル崩壊後諸物価が急激に下がったので、不景気とは言え国民・・消費者にとっては、朗報でした。
物価下落は、画期的生産技術の開発によって、商品の低価格化を実現したのならば、手放しで喜ぶべきことです。
しかし、単によその国の賃金が安いからと言う理由で、そこで国産の十分の1のコストで生産した商品が逆輸入した場合、そのときだけ商品が自分の高収入に比較して安いだけであって、時間がたてば自分自身の賃金も下がっていくのですから、何にもならないのです。
これまで書いていますが、十分の一の価格で輸入してもその他の人件費やインフラコストの関係で、国内販売価格はせいぜい2〜3割しか下がらないのです。
この低価格輸入の広がりは、直ぐに国内の人件費その他の下落攻勢に波及してきます。
日本国内で販売したパソコンなどのサポートサービス基地が中国に作られ、日本語を学んだ中国人が何千人と働いていると報道されていることを紹介しました。
このようにして人件費の高い日本、地代・・インフラ全体の高い日本が、本来日本にあるべき需要でさえ敬遠され、日本人の失業・・と言う形で、人件費やインフラの下落圧力をかけているのです。
このように人件費下落圧力が強いので、物価下落に喜んでいると、たちまちにして物価の下落した以上に自分の給与も下がってしまうのです。
(これまで書いて来たように、インフラ関係は政府に保護されているので、簡単には下がらず、人件費の方だけ、早く下がるので挟み撃ちに遭うのです。)
人件費の中でも、就職中の人の給与引き下げと言うことは滅多にないので、地位の安定したホワイトカラーや正社員は、物価下落の恩恵を受けただけですから、この10数年得しただけの階層でしょう。
これに対し、失業した人やその場その場の日当単価で働いている現場職人や派遣・フリーター、あるいは新規参入者・・要するに新卒・・だけが、人件費下落効果の直撃を受けることになります。
要するに、既得権保有者がこの数十年恩恵だけ受けて、社会的弱者だけが直撃を受けてきたのです。
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