02/09/07
許された危険2(刑法70)業務上過失とは?
交通事故を起こすと、どんな場合でも(被害者の飛び込みのような例外以外には)運転手の過失が擬制されて、助からない・・有罪になると一般に思われているのは、こうした背景があるからです。
結果が発生した以上は、このとき「こうしておけば良かった」と言うことがどんな事件でも何%かはある筈ですから、(日本人は特にこうした自己反省が好きです)どんな事件でも、その何%かの可能性を言い立てて過失があったことにしているのです。
こうして、青信号で交差点に入っても、
「注意して走っていれば、交差点に歩行者がいるのにもっと早く気付いた筈ですが、赤信号で安心してしまった私が悪かったのです。」
式の調書が作られて行き、業務上過失があったとして有罪になる仕組みです。
このような行き過ぎに対する反省から、「信頼の原則」が強調されるようになったのですが、実際に適用されて無罪になるのは稀有の場合に限られているのが現状です。
(元々、故意犯(車の運転行為自体が既に犯罪)になるのを過失に落としてやっているだけと言う刑法全体の構造があるからでしょう。)
ところで、過失相殺にも車同士と人対車の2重基準もあります。
これを弱者強者の二十基準であると思っている方が多いでしょうが、本当は上記のように車運転行為自体が既に犯罪行為者と言う基礎理論があるからでしょう。
車同士の場合は、ヤクザ同士の果し合いと同じで、危険物運転行為に参加している点は同じ立場ですから、割に公平な運用になる傾向があって、信頼の原則の適用も緩やかとなっているのです。
刑法
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
2 自動車を運転して前項前段の罪を犯した者は、傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。
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