02/05/07
生活水準の国際的平準化5と生活保護2(施策の柔軟化1)
ところで、彼は、彼なりに貯蓄していて、7〜8年前には、老後資金を利用してマンションまで買っていたのですから、大したものです。
しかし、その後無職のままお金を使っていくだけですから、(現場労務者の多くは国民年金すら支払ってこない人が今まで普通でした)ついに使い果たし、事件の何ヶ月も前から、電気、ガス、水道を止められ、トイレの水も流せない状態で逮捕されたときの所持金は21円でした。
年に150万円前後の生活費でも使っていけば、10年も老人をやっていると1000万円の老後資金があっても、使い切ってしまいます。
現場労務者で、自宅を買って、さらにこんな大金を持っている人は滅多にいませんから、大変な事態です。
折角、長年底辺で働きその間真面目に蓄えをしていても、マンションまで購入していても長寿社会では、このような結果になるのですが、生活保護の相談に行っても、マンションを持っているからと断られてしまったと言うのです。
命綱のマンションを手放せと言われても、おいそれと手放せるものでは有りませんから、浮浪者同様に棄てられた弁当を食べたりしながら、命をつないでいたのです。
ま、公園でなく自分のマンションで寝泊りできるだけ、マシと言う状況でした。
こう言うときには、ズバリ生活保護出来ないとしても、マンションを担保に生活費の貸付をしていけば良いのはないかと思います。
生活保護の先行的貸付制度創設については、12/15/06「生活保護費の管理1(モラルハザード防止1)」のコラムでも、少し書きました。
単純に生活保護支給ですと、死亡後に親の面倒も見なかったその遺族が、マンションだけ無償で相続してしまい一種の不正義となります。
死亡までに貸し付けた金額と、死亡時のマンション価値を比較して、貸付金の方が少なければ遺族との間で清算すればいいことです。
この人の場合も、離婚して一人ぽっちですが、どこかに子供がいるとも言うのです。
こうした柔軟な政策の実行のためには、福祉事務所では、生活保護と貸付、生活保護と就労援助など総合的施策・権限付与が必要な時代が来ていると思います。
人口の極少数が生活保護対象の時代には、マイナス志向で仕事をしていればよかったでしょうが、これからボーダーラインの人が増えて来ますので、マイナス志向の役所ではなく、総合政策官庁に脱皮して行く必要があるのです。
貸付形式の採用については、仕事がなくて働けない人や少し病気気味でまともに働けない人など、ボーダーラインの人に対する生活保護拒絶が社会問題になっています。
マンションを持っている、車を持っているなどそれぞれボーダーライン上の人に対する生活保護の拒絶が現在人権問題になっているのです。
(まだ今のところ、弁護士が気にしているだけかもしれません。)
関連ページリンク
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
