02/25/06
金利を取る「すいこ」から銀行や貸金業の話へ、大分話しが離れましたが、出挙(すいこ)の話に戻しますと、中国の公廨銭物の利息つきの貸借制度に起源があるとも言われています。
わが国ではいずれにせよ「利息」「利子」と言う熟語から分るように、禾へん植物の子供として生れてくる農作物を予定して発達したものです。
このように利子は、収入の安定している・・結果の確実性のたかい農業社会と親和性が強かったのですが、農業社会化していたキリスト社会でも、フィレンツエのメヂチ家の例で紹介したように、利息を取ることが事実上認められるようになっていくのです。
徳川時代の士農工商の例で分かるように、農業社会から見れば、汗して何も作り出さない商人が最低の職業と思われたように、商人から見れば、何のリスクもとらずに、蓄積したものを人に貸して、利息を取るのは悪徳そのものに見えたのでしょう。
(有り余っているなら、貧者に分け与えるべきだという訳です。)
09/16/05「多神教・神道の支持基盤の喪失と新興宗教(産業構造の重要性2)」に書きましたが、職業によって価値観が違うのです。
日本では、春に種籾を貸して、秋にその結果を受け取る仕組みでしたから、よほどのことがない限り、リスクが有りませんでした。
(不作と言っても、知れていたでしょう。)
現在の民法では、利息・地代等定期的な付属収入を総称して、「果実」と表現しているのは、こうした歴史を踏まえているのです。
果実には天然果実と法定果実があり、法定果実とは地代、家賃の外、利息のことを意味しているのです。
果実と言えば果物(フルーツ)しか思いつかないでしょうが、法的には、果物だけではないのです。
果実については、これまで少しばかり書いてきましたが、今回は条文を紹介して説明しておきましょう。
民法を見ましょう。
民法
(天然果実及び法定果実)
第八十八条 物の用法に従い収取する産出物を天然果実とする。
2 物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物を法定果実とする。
(果実の帰属)
第八十九条 天然果実は、その元物から分離する時に、これを収取する権利を有する者に帰属する。
2 法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する。
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