02/24/06

金貸し銀行の区別3(資本市場の発達バブル発生)

このシリーズで書いているように、もともと農業社会経験で来た日本人には、人物や業態による発展可能性などのリスク判断をした経験が全く有りません。
イキオイ貸付金の回収の担保・確保策としては、土地を取り上げると言う地主小作関係の経験を生かした方法にしか目が行き難かったのでしょう。
ちなみに、・・30年程前に頼まれて、造船所の設備を差し押さえようとしたことがありましたが、銀行の抵当権が5億円だったか巨額の根抵当がついているのですが、さらに後順位で押さえても、いくらで売れるのか考えてみると予測がつかなったことがあります。
見に行くと敷地の半分は、海の水が出たり入ったりしているドック部分なのです。
こんな土地は競売にかけても、売れるわけがないのです。
製鉄所の高炉なども、何十億と言う担保がついているのですが、実際に倒産して競売できるかと言うと製鉄所が倒産するような事態になれば、その設備を買いたいと言う人も出てこないでしょうから、実はイザと言う時の担保価値がないのです。
このように生きている企業に融資するのは、担保目当てではなく、企業の存在価値・将来性に賭けるべきもの・・これこそが、貸し金と違った投資或いは、融資と言うべきでしょう。
ところが、銀行は自己のリスク判断でこうした企業に融資していたのではなく、政府推奨だからと言う基準だけが主たる融資基準でしたから、リスク判断に慣れていません。
資金あまりになって優良企業が借りなくなって、顧客を中小企業にまで裾野を広げざるを得なくなっていた銀行は、自己判断で国策以外の企業に貸さざるを得ません。
最初の内は中小の中でも業績のいいところだけ貸していれば足りたでしょうし、住宅ローンでも、安定収入のある大手企業社員だけ、しかも、必要資金の6〜7割しか貸さないというやり方で、無理がなかったのです。
これが、さらに裾野が広がって零細企業にも貸さざるを得なくなってくると、県単位で信用保証協会を設立して、リスク回避に努めます。
商人のリスク回避行動については、04/22/03「保証会社の機能(保険の存在価値1)5」前後のコラムで批判していますので参照してください。
さらに、資金あまりがひろがって、もっとレベルの低い保証協会つき融資の出来ないところに貸そうとすると、きわどい融資経験の乏しい大手銀行は、各地の弱小地銀を傘下・系列に組み込んでノウハウ吸収に努めます。
最近サラ金と提携する流れが目立つのも、その流れの一貫と理解すべきでしょう。
ところが、ノウハウと言っても目に見えないものですから、大手社員にとっては、傘下の、自分よりもレベルの低い?社員の言い分よりも、(単なる情実融資など非合理なものに見えたでしょう)日本人の永年の習性の延長で、土地担保融資に走り勝ちでした。
何しろ大手の巨額資金融資では、役人的無責任主義の発想で、鑑定書など御墨付きが欲しかったのです。
こうして土地担保融資に偏って来た結果が、担保融資によって出来たお金で次の土地を仕入れると言う循環が起こり、不動産バブルが起きたのです。

 



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資