02/20/06

租税とは?6 (・・・公用無償から正当補償へ1)

あらゆる場面で、公的責務を果たすのは無償または、ホンの雀の涙程度の日当で良いと言う発想が根強いのは、こうした歴史・・・徴用は租税の一種であると言う価値観を抜きにして考えられません。
ところで、自衛隊のイラク派遣では、いざと言うときに自衛官が怖いからと言って派遣拒否をしたら、
    「何のために普段から無駄飯食っていたのだ」
ということになりますから、自衛隊員が率先して行かざるを得ないのは当然です。
ところが戦前の職業軍人は、イザと言う時のために平時から高給を貰っていたのですが、戦争になると実際の戦いに殆ど参加しなかったのです。
戦いの現場に出るのは召集された素人の国民ばかりで、彼らを職業軍人が2等兵として訓練し、顎で使って、職業軍人の多くは、(一部現場の切り込み隊長として働くものもいますが、これは例外です)将校として、安全地帯にいて、特別な地位が保障されていたのですから、何か変な制度でした。
有名な特攻隊員も学徒出陣者ばかりで、職業軍人は、教官として危険のないところにいたのです。
これから始ろうとしている裁判員制度も、その構成員を見ると、高給を得て専門的訓練を受けた裁判官(将校)や書記官(下士官)と、無償またはこれに類する安い報酬で駆り出された素人の国民(2等兵)で運営されていくのですから、戦前の徴兵制と似たものとなるでしょう。
政府が考えている裁判員の日当は、古代の徴兵(防人)と同じ発想で、政府は駆り出した者だけ食わせればよい・・1日分の日当が基本となるでしょう・・・この人が何人を養っている・・すなわち経営者かどうかの規準を一切認めないのですから、個人事業者などはたまりません。
こうした事態は、刑事弁護の国選でも同じで、国選だから相場の3分の一程度の報酬でいいだろうとか、あるいは弁護士会の法律相談は無料とか、みんな発想は同じです。
これは弁護士だけでなく、鑑定依頼その他専門職種では、等しく市価よりも安く頼まれている筈です。
弁護士費用や鑑定費用は、経営コストその他から市場原理で決まってきている筈ですから、(これが高すぎると言う批判があればそれは別問題です)市場原理を無視して、家賃や従業員コストのかからない勤労所得(これは純益です)同様の保障さえすればいいと言う発想は、農業社会から勤労社会になったことを無視して、兵士の食い扶持さえ保障すればよいと考えていた昭和の徴兵制同様の無理があるのです。
交通事故などの逸失利益保障で採用されている場合と同様に、徴用されたものの前年度所得などを規準に逸失利益の発想で、(ある程度の類型化くらいは仕方ないでしょうが・・・)日当を出すような、きめ細かな制度構築が必要でしょう。
  「徴兵と違って、拘束するのはわずか数日くらいだから、どうってこたあない」
と言うのが、政府(すなわち官僚)のもくろみでしょうが、自分たち官僚は高給を得ながら、国民にだけ安い報酬で強制しようとする発想がおかしいのです。



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