02/18/06

借地法借家法3(地代家賃増減変更請求権2)

借地法12条2項3項の条文を見れば分かるように、減額請求しても地主が応じないときは、裁判所に減額請求の訴えをしなければ決着がつかないのですが、決着がつくまでの地代をどうするかが、実質的に重要です。
この点、上記条文は裁判で決まるまで、従来の地代を払い続けなければならないことを定めているのです。
これは、どう言う意味かと言うと減額請求しただけでは減額にならずに、裁判で減額が決着するまで従来どおりの地代を支払わねば、地代未払いの効果が生じますので、それだけを理由に契約解除されてしまうと言うことです。
地代や家賃を払えなくて苦しくなった者からの、減額請求・・訴えの制度があると言っても、その裁判中ずっと従来の地代や家賃を払い続ける資力がなければ、実際には出来なかったということでしょう。
今でもそうですが、経営が苦しいから家賃を下げてくれませんかと言う申し出でが普通なのですが、(余裕のあるものからの訴えお願いは少ないのです)もう苦しくて払えないないからと訴えているのに、年単位の長い裁判中従来どおり払い続けなければ、それだけで契約違反として解除され、追い出されてしまうと言うのでは、何のための制度か分かりません。
値上げの場合も同様の仕組みですから、一見公平な立場のようですが、現状維持を主張する方が当面有利に戦える仕組みになっているのですから、法のスタンスは出来るだけ増減変更を阻止したいと言うものでしょう。
永小作権のコラムで紹介したように、いかなる凶作があっても減額請求できないと言う原理を決めた以上は、時代の趨勢とは言え、アンチョコに増減請求されては困ると言うスタンスだったのでしょう。
今風に言えば、役(地主階級)人の抵抗にあいながらも、大正デモクラシーの勢いで、ようやく出来た法律だったのでしょうか?
殆ど同じ条文ですが、ほぼ同時に出来た借家法も見ておきましょう。

借家法大正10・4・8・法律 50号  
改正 昭和41    ・法律 93号  
廃止 平成3    ・法律 90号  (平成4年8月1日)第7条 建物ノ借賃カ土地若ハ建物ニ対スル租税其ノ他ノ負担ノ増減ニ因リ、土地若ハ建物ノ価格ノ昂低ニ因リ又ハ比隣ノ建物ノ借賃ニ比較シテ不相当ナルニ至リタルトキハ契約ノ条件ニ拘ラス当事者ハ将来ニ向テ借賃ノ増減ヲ請求スルコトヲ得
但シ一定ノ期間借賃ヲ増加セサルヘキ特約アルトキハ其ノ定ニ従フ
2 借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ヲ支払フヲ以テ足ル
但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ不足アルトキハ不足額ニ年1割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス
3 借賃ノ減額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得
但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年1割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス



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