02/14/06
出挙(すいこ)が次第に租税や地代(小作料)に変質していっても、本来は収穫による倍率を基本にして正当性が担保されていたものですから、大きな飢饉などでは減額される仕組みも内臓されていた筈ですが、これは商取引のリスクに比べて滅多にないリスクでした。
この滅多にないリスクを内包しているのが利息と言い、(どうしても駄目なときには、一揆や徳政令があります)しょっちゅうリスクがあるのを、投資によるキャピタルゲインとして、後世分類されていくようになるのですが、私に言わせれば先祖は同じだったのです。
日本の場合、実際に収穫ゼロの凶作が発生するなどは、東北などの気候的に無理している地域を除けば、数百年に一回もなかったでしょう。
(カムイ伝などは偏った史観に基づくものでしょう。)
古代には、今の東北地方は元々大和朝廷を構成している民族から見れば、別の地域でした・・・・。
壬申の乱のころには、逢坂の関の外側・・・美濃の国が東国と言われていたことを、06/20/05「麻の歴史3(西洋・中東の場合)兵の強弱」その他のコラムで、これまでも紹介してきました。
こうした超長期の安定収入に裏打ちされた出挙(すいこ)に始る穀物の倍率による返済制度では、支払い利率は、天候や結果の増減によって変動する性質のものではないものとして慣習化されていきます。
後に紹介しますが、利息や利子は、現行民法では変動性のない法定果実として定義され、地代、小作料等と同じ仲間として包括されているのは、こうした歴史を踏まえたものでしょう。
これに対し西洋からイスラム世界では、これまで書いたように農業収入でも生産性が低くて安定しなかったことから、後に紹介するように利息を認めるとしても、変動利率と言うか、日本の利息と利益配当の中間的なものになる傾向が強くなった原因でしょう。
そこで、凶作などの場合のリスク負担が、日本の現行民法(と言っても明治に出来た法律です)でどうなっているか、ちょいと見ておきましょう。
民法
明治29・4・27・法律 89号(第1編 第2編 第3編)
明治31・6・21・法律 9号(第4編 第5編)第5章 永小作権
(永小作権の内容)
第270条 永小作人は、小作料を支払って他人の土地において耕作又は牧畜をする権利を有する。
(永小作人による土地の変更の制限)
第271条 永小作人は、土地に対して、回復することのできない損害を生ずべき変更を加えることができない。
(永小作権の譲渡又は土地の賃貸)
第272条 永小作人は、その権利を他人に譲り渡し、又はその権利の存続期間内において耕作若しくは牧畜のため土地を賃貸することができる。ただし、設定行為で禁じたときは、この限りでない。
(賃貸借に関する規定の準用)
第273条 永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。
(小作料の減免)
第274条 永小作人は、不可抗力により収益について損失を受けたときであっても、小作料の免除又は減額を請求することができない。
(永小作権の放棄)
第275条 永小作人は、不可抗力によって、引き続き3年以上全く収益を得ず、又は5年以上小作料より少ない収益を得たときは、その権利を放棄することができる。
(永小作権の消滅請求)
第276条 永小作人が引き続き2年以上小作料の支払を怠ったときは、土地の所有者は、永小作権の消滅を請求することができる。
(永小作権に関する慣習)
第277条 第271条から前条までの規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。
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