02/10/06

談合基礎2(刑法35)(官制談合禁止法)

国民の立場から言えば、国民に談合を禁止する以上は、取り締まる方の役人こそ、自らの襟を正すべきだと言うのが正論でしょうが、彼ら役人にとっては、自分たちは自由にしたいが参加させてやる国民だけをルールに従わせたいという本能があるのでしょう。
ゲーム場やその他の施設では、一般客には厳重な規則を守らせますが、関係者には別に入り口があってフリーパスになるような感覚です。
役人は、公僕と言うよりも、国民を飽くまで、処理する対象でしかない発想で、談合禁止・・処罰が始ったものですが、この処罰が進んでくると「役人自身も守れ」と言う世論が強まってきます。
そこで、官制談合禁止法で、先ずは、「役人もやってはいけませんよ」という精神規定を作って、少し慣らし運転をし、理解したところで、刑事罰を付加すると言う段階的な発想だったのかもしれません。
立法と言うのは、そう言う順序を踏む事が多いのです。
一般の入札談合も、上記のとおり今では立派な犯罪行為ですが、日本人は元々左右の動きを見て行動するのが好きなのです。
(・・・私は、これが談合の原型だと思うのです。)
何をするにも周りの動きを見て、出過ぎないように、言い過ぎないように会議でもなんでも、気を使って生きるのが日本社会です。(出る杭は打たれるし・・・)
同業他社との競争で突出した値段を出してまで、仕事を取るのは「汚い・・アンフェアー」と、仲間内で評価されることがあります。
弁護士報酬規定と言うものが、独禁法に反すると言うことで、近年廃止になりましたが、我々が弁護士になったばかりのころに聞いた教育では、ダンピングしてはいけない、品位を害すると言うものでした。
要するに「人の動きを見て、行動しなさい、相場に外れるのはいけないよ」と教えられたものです。
談合するのがフェアーで、抜け駆けするのがアンフェアーと言う無意識の価値観があると言えば、皆さん驚くかもしれませんが、入札で談合する関係者の潜在意識はそんな所でしょう。
水稲農業の基本作業である田植えをしたことのある世代が少なくなっていると思いますが、自分ひとりの仕事が早いからと言って自分だけどんどん進むのではありません。
左右の速さにあわせて、手の早い人は自分の持ち場を広く取って、左右に並んだ人と同時に田植え用の木枠を転がして進んで(実は後退して)いくものなのです。
このように、田植えだけでなくいろんな農作業が全般に、古来から日本では周囲の動きに気を配って生活する習慣が磨かれて来たのです。
専制国家・・商業国家の中国的価値観では、左右の動きを見ながら行動する人物を「右顧左眄」すると言って軽蔑の対象ですが、日本では、逆に「配慮の行き届いた人物」として評価が高くなるです。
基本的に談合が好まれる社会で来た日本で、競争を予定している入札に限って、これを回避するためにひそひそと談合するのは、許されなくなったのは、近年のことですから、(刑法になくて後から追加したものです)中々違法意識が根付き難いのでしょう。
我々弁護士の世界でも日弁連会長選挙は別ですが、地方単位会の会長選挙は、自由な選挙の筈ですが、殆どの場合無投票当選で決まっています。
これは、許された談合の結果と言うべきでしょうか?



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