02/27/05
ストーカー 1(文学に見る主役1)
東慶寺の話からDV法にそれましたが、逸れたついでに現代話題のストーカーについてホンの少し書いておきましょう。
ストーカーと言えば、男性のストーカーは、殺人事件などに発展するので、大きなニュースになることから、皆さんは男性が加害者の場合ばかりを何となくイメージされているでしょう。
しかし、私の関係する事件からの印象では、女性のストーカーの方が数では圧倒的に多いように思います。
「逃げた女房に未練がないが・・・。」と言う歌の文句のように、男にもたまには未練たらしい人もいますが、もともと男の方が基本的性格として振られたら諦める率が、女性よりも多いと思われます。
また「追っかけ」をしているのを、男仲間に知られるのは恥ずかしい気分があります。
芸能人の「追っかけ」も、女性が中心でしょう。
イキオイ境界的人間(未練たらしい例外的男)は止めてしまうので,やむに止まれぬ特殊な男だけしかストーカーに成長しません。
女性はもともと男性に比べてあっさり諦め難い性質を持っている上に、他人に訴えると「カワイそうに・・・」と応援してくれる方が多いので、被害者のような気がして来て、遠慮なく押しかけるようになりやすく、余計多くなるのでしょう。
古くは、源氏物語の「六条の御息所」は生霊として頑張りますし、中世では「娘道成寺」で有名な安珍と清姫は女性ストーカーの横綱ではないでしょうか。
江戸時代の「八百屋お七」の事件(いわゆる振袖火事です。)は有名ですが、これを今の視点で見直せば、一種のストーカーでしょう。
ただし、男のストーカー事件もいくらもあるのでしょうが、誰も同情しないし、物語として成功しないので名作がないだけかもしれません。
女性の積極性とストーカーとは直接の関係はありませんが、大正以降では、社会主義者・アナーキストで有名な大杉栄との恋愛事件のもつれから、刃傷事件になったのが映画化された「エロス+虐殺(松竹・岡田真梨子主演)」が有名ですが、これがもしも、男性が加害者であれば、単なる暴力事件として誰も注目しないし、映画にもならないのです。
西洋ではスペイン、フランスだけでなく、ドイツでも「若きヴェルテルの悩み」とかヘルマンヘッセなど、男性の恋心・悩みを描く作品が多いものです。
それにしても、わが国では、男が振られる文学作品は尾崎紅葉の「金色夜叉」で、寛一が熱海の海岸で「お宮」を蹴っ飛ばすくらいしか見当たりませんね。(ウジウジ悩む設定がないのです。)
わが国の男性はひどいばかりで、被害者になることがないのでしょうか?
西洋とわが国では、男女のあり方観がかなり違うようです。
考えようによっては、男女の実質的相違以上にジェンダー意識が強調されてきたのが、わが国かもしれません。
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