02/21/05
DV防止法の限界3(保護命令で何を解決するか?)
身の回り品に限らず、夫の留守中に運送屋に予約して昼間堂々と奥さんと子供だけで大がかりに荷物をまとめて引っ越してしまう人はいくらもいますので、荷物の持ち出
しだけなら、裁判所の救済は不要なのです。
ただ、こういうことまですると余計こじれますので、普通は前回のコラムで書いたように、話し合いで持ち出すのが多いのです。
普通の夫婦は、「奥さんが好きなだけ持って行けばいい」という男が殆どですから、立会いもしません。
裁判所の命令を梃子に、夫が近づかないうちにこっそり荷物を持ち出すのと、裁判所の命令なしに夫が仕事に出ているうちにこっそり持ち出すのとでは、どちらの方がこ
じれるかの点ではむしろどちらかな?と言うところです。
暴力亭主が実家にまで押しかける、或いは、新しいアパートに押しかけるというストーカー的亭主であった場合には、いわゆるシェルターに隠れることになります。
ところが、現在のシェルターは後に触れますが、身を寄せるだけの最低規模のものですから、嫁入り道具一式を大型トラックで運び込むことまで予定していないのです。
せいぜい身の回り品、学用品、洋服などの持込しか出来ないのです。
それに今の結婚では、大掛かりな嫁入りダンス・支度などははやりませんから、こうした大掛かりな需要は滅多にないでしょう。
普段はいい人ですが、お酒を飲むと人が変わるという訴えも多いですが・・・こういう人はいくら説教しても、謝ってもキリがないのです。
埒があかないから第3者それも裁判所に訴えるというのですから、2週間の帰宅禁止だけで、その間に暴力亭主の人柄が変わる訳がありません。
第3者の説得程度で収まるならば、苦労がないのですから、ここまで来れば家庭内暴力だけを単品で解決するのが目的ではなく、(私の意見では却ってこじれるだけで、
解決どころではありません)解決すべきは大元の離婚問題であると分るでしょう。
ところで、 02/19/05「DV防止法1(保護命令)」のコラムで紹介したとおり、退去命令に違反した場合の制裁は、「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。
夫婦を続ける限り、財布は一つですから夫が罰金を払うのを妻が望む訳がないのです。(離婚するにしても最後の分配金・・・預金が減るだけです)
あるいは、夫が逮捕されて1年でも長く刑務所に入っていて欲しいと願う妻がいるでしょうか?
もしもいるとしたら、やはり離婚を前提にした形骸化した夫婦でしょうし、すぐ離婚を申し立てるのではないでしょうか?
愛情がまったくなくなって離婚訴訟を予定している場合でも、夫が刑務所入りすると子供の親が前科者になるうえに、養育費や自宅ローンの支払いが望めませんから、実利から考えてそこまで望まないのが普通です。
ところで、ここまで話が進めばお分かりのように、裁判所や弁護士が関係するようになれば、既に夫婦関係が破綻しているのですからDV防止法の適用は、離婚を前提にした解決方法の一つであると考えるのが妥当でしょう。
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