02/12/05
江戸の人口構成2(不良品早期退場社会1)
「後難を恐れる」という言い回しが今でも残っていますが、昨日紹介した古文書の書式が始まりかも知れません。
現在の用法では、息子の不始末を恐れると言うよりも、「後難を恐れて」ヤクザや政治家?の要求に応じると言います。
一種の仕返し、報復を恐れる用法ですが本来は、「後難のしゅったい」を恐れるのですから、言いがかりを付けられるのではなく、自ら種を播いた場合(自動詞的です)をあらわす言葉だったのです。
ところで、無宿者が殺されても犯罪者になっても、役人はその出身地に身元確認のための出張調査が不要でしたが、籍が有ると遠路はるばると役人が気軽に(他人の金ですから、出張は役人の楽しみです。)出身地に身元調査に来る(今で言えば、戸籍照会するのと同じです)のです。
今で言えば、スマトラ沖地震で外務省役人が日本人の身元確認に追われているのを見ればいいでしょう。
この費用を全額請求されたのではかないませんよ。
電話などのない時代ですから、大変な出張費用がかかり、これが村の責任になったのです。
勿論犯人側ですと損害賠償の問題も大きかったし、被害者側でも死体の引き取り、葬儀など莫大なお金がかかりました。
無宿者が殺されても犬猫の死体同様で、何も調べる必要がなかったし、犯人も無宿者の場合どこにも通報する必要もなく、簡単に処罰していけばよかったのです。
逆に言えば、身元がきっちりしている限り、むやみやたらな処罰や埋葬が出来ず、それなりの手続きが要請される社会でもあったのです。
往来手形のある場合は、今のパスポート類似の役割を果たしていたのです。
但し、往来手形でも、遠路はるばる葬儀のために遺体輸送や、或いは現地に出向いていって葬儀をするのは大変な費用でしたから、往来手形の終わりの方で「もしも行き倒れその他の死亡の場合、現地の風習にしたがって葬ってくだされば何らの異議も申しません」と言う決まり文句を書いておくのが普通でした。
現在のニッポン人はお金がありますので、事故死すると世界中から遺体を引き取って帰ってくるニュースが多いですが、こんなのは歴史上例外でしょう。
無宿者同士の喧嘩死亡の場合、犬猫扱いですが、今でいえばヤクザ者同士の出入りで死者が出た場合と思えば良いでしょう。
ただし、いまは、ヤクザ者でも一応人権がありますので、抗争事件が起きると死者やけが人が出ないように、警官が対立組事務所の警戒に当たっている光景がテレビなどで放映されます。(態のいいガードマンです!)
そのうち流れ弾に当たったり、警官が組員と間違えられて対立組員から射殺されるような滑稽な事件が起きてくるのですが、ヤクザ同士の喧嘩はやるだけやらしておいて後で、犬猫のように死体だけ始末していた江戸時代の方が、合理的だったかもしれません。
この連載の最後の方で書きたいと思いますが、不良品はどこまで言っても不良ですから、(天才的陶芸家でも失敗作のほうが多いのです)江戸時代のように
「不良品は(結婚する能力のない男女はそれぞれ)世の中から姿を早く消してくれればくれるほどいい」
と言う合理的精神を貫徹すると、犯罪者またはその予備軍がどんどん退場していきますので犯罪のない平和な社会になるのでしょう。
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