02/11/05
親の責任と使用者責任は違うべきだ(民法121)
民法を見ておきましょう。
民法
第712条 未成年者カ他人ニ損害ヲ加ヘタル場合ニ於テ其行為ノ責任ヲ弁識スルニ足ルヘキ知能ヲ具ヘサリシトキハ其行為ニ付キ賠償ノ責ニ任セス
第713条 精神上ノ障害ニ因リ自己ノ行為ノ責任ヲ弁識スル能力ヲ欠ク状態ニ在ル間ニ他人ニ損害ヲ加ヘタル者ハ賠償ノ責ニ任セス 但故意又ハ過失ニ因リテ一時其状態ヲ招キタルトキハ此限ニ在ラス
第714条 前2条ノ規定ニ依リ無能力者ニ責任ナキ場合ニ於テ之ヲ監督スヘキ法定ノ義務アル者ハ其無能力者カ第三者ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス 但監督義務者カ其義務ヲ怠ラサリシトキハ此限ニ在ラス
2 監督義務者ニ代ハリテ無能力者ヲ監督スル者モ亦前項ノ責ニ任ス
不良息子を持った親にとっては、江戸時代のように、「後難のしゅったいを恐れて、・・・」予め縁切りにしてしまえれば気楽なものですね。
江戸時代は、窮屈な社会のようでいて、それなりに逃げ道も用意されていたのです。
不良でない孝行息子でも、次男以下は将来何があるかわからないので(「後難のしゅったいを心配して」というのですから)さしあたり無宿者に届けておくのですから凄い社会です。
今の親は、不良と分っていても永久に逃げられませんから、その意味でも子育てが苦しくなって子供を欲しがらなくなる人が多くなります。
これからの子育ては、親だけの責任にせず、グループなどで緩やかに連帯して育て、みんなで責任を持っていく社会になる必要があるでしょう。
親に全てを押しつけるから、若いお母さんが重圧に耐えかねて却って児童虐待も起きるのでしょう。
ついでに、使用者責任の条文も紹介しておきましょう。
これは例えば自動車運転手が事故を起こしたときに、その経営者が選任監督の過失を問われるときに使われる条文です。
この条文のお陰で、会社が責任を持つようになっていたのですが、社長が毎朝安全運転をするように訓示していればよいのかどうかと言うことになって来ると漫画的です。
日ごろからいくらミーテイングをしていても何をしていても、交通事故を起こして運転手に過失が有れば、会社の監督責任が認定されるのです。(漫然と・・・しているだけで十分な監督をしなかった・・・・)
裁判所と言うのはそう言うところです。
但し、これ(企業活動から結果として被害者が出たときには企業が賠償すべきだと言う)の社会的意義を私は認めていますよ。
第七百十五条 或ル事業ノ為メニ他人ヲ使用スル者ハ被用者カ其事業ノ執行ニ付キ第三者ニ加へタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス但使用者カ被用者ノ選任及ヒ其事業ノ監督ニ付キ相当ノ注意ヲ為シタルトキ又ハ相当ノ注意ヲ為スモ損害カ生スヘカリシトキハ此限ニ在ラス
2 使用者ニ代ハリテ事業ヲ監督スル者モ亦前項ノ責ニ任ス
3 前二項ノ規定ハ使用者又ハ監督者ヨリ被用者ニ対スル求償権ノ行使ヲ妨ケス
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:刑法に関するコラム
関連ページリンク稲垣法律事務所コラム内:社会の高度化、教育に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:地方に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:明治に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:憲法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:責任に関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC