02/15/04
公事方御定書6と罪刑法定主義1(憲法44)
平成16年1月6日の「公事方御定書5」のコラムで禁近親婚違反が非人手下の刑になる説明から、江戸時代の婚姻制度の説明、相続制度の説明、さらには水戸黄門の話まで行ってしまいましたが、久しぶりに公事方御定め書きに戻ります。
今では罪刑法定主義と言って、どの罪を犯せばどういう刑罰になると決まっていますが、罪刑法定主義の存在意義として、一般的には人権を守る為の機能が説明されています。
しかし、そればかりではなく、国民に法をあらかじめ知らしめて、国民の自己判断で法を守らせようと言う思想が根底にあるのです。
国民の成熟、国民の能力への信頼があるともいえるでしょうか?
実際、西洋で19世紀に発達した思想は、教養と財産のある市民=自由な人格者を想定するものが多かったですね。
罪刑法定主義は、国民を人格者であることを前提として、あるいは、自ら法を制定する主権者として措定するものでした。
主権者と言うからには、「主権者である国民が法を知らなくてよい」と言うのはおかしいですよね。
ところで、私が司法試験受験で学んだ政治学或いは法律学の基本書(体系書)では、戦後社会は19世紀型の教養と財産のある市民を当事者とする社会を実現するどころか、もっと進んだ社会が平行して進行していると言うものでした。
我が国では、19世紀型の市民社会が成熟せず、人権保障が不十分であったために憲法改正になったのですが、他方で資本主義の発展もあったので平行して次ぎの大衆社会も進行し始めていたのです。
市民社会から大衆社会への移行により、対等な人格者同士の法律ばかりではなく、労働基準法や、借地借家法のように、強者と弱者間の契約関係を前提にした社会法的分野の発生が説かれていました。
憲法第25条の生存権の規定は、その象徴的条文と言われたものです。
憲法
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
今日の読み物間連:
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:憲法に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:社会の高度化、教育に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:歴史に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:民主主義に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:行政に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:民事に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:国民に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:ヨ−ロッパに関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:戦前に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:戦後に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:江戸に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:世襲に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:身分
に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:中世
に関するコラム
稲垣法律事務所コラム内:御成敗式目
に関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC
