02/14/04

徳川御三家明治政府でっち上げ

話はどんどんエスカレートして行きますが、徳川御三家と言うのも怪しいですよ。
ちなみに、家康の子供11人の男子のうち、家康死亡時に生存していた男子は5人しかおらず、そのうち75万石ともいう忠輝は、家康の勘気を受けて、遺言で改易されました。
秀忠以外で生き残っていたのが後の紀州、尾張、水戸の藩主となる3人しかいなかったと言うだけの話です。
勿論11人もいた家康の男子の子孫の家系は(結城秀康の息子等は、合計100万石にも達していたことは紹介しました。)残っていましたから、一門が3人だけと言うわけでもありません。
下から順の3人を、御兄さん達の家系より格を上にするのは、儒教道徳に熱心な徳川家としてはおかしなものですし、水戸家は僅か25万石から始まったのですから、もっと大きな領地をもっていた兄達の家系との比較からも不自然です。
この3人だけ同じ母親かと言うと、そうでもないのですから特別仲良くしなければならない関係でもありません。
御三家と言う呼称は制度として定められたことはなく、たまたま最後に生まれたので、家康死亡時に、生き残っていたのは3人だけだったと言うことから、(母親も違いますし、共通項は11人の男子のうち下から3人と言うだけです。)後世そう言うようになっただけらしいのです。
しかも「後世」と言っても、「何時から言われるようになったのかもよくわからない」とものの本に書いてあるのですから、御3家と言うのは明治政府のデッチ上げではないかというのが、私の感想です。
御三家は将軍家に後継ぎがないときに将軍になれる特権があったと、まことしやかに言う説(説まで行かない巷間の流言のたぐいか?)もあります。
しかし、前回のコラムで紹介したとおり、4代将軍死亡時には、綱吉など血縁がいるのに、都から公方様を迎え入れるかどうかと言う議論が戦わされているくらいであって、御三家があるからなどと言う話しは全く有りません。
さらに御三家から将軍になったのは、吉宗と家茂の2人だけであり、吉宗は御三家だからと言うよりも人材選抜の結果に過ぎませんし、14代家茂は、吉宗の出た同じ紀州家ないし将軍家との姻族関係で血脈が近いと言う理由でなれたに過ぎず、御三家とは関係がないでしょう。
水戸家や尾張家からは、将軍が一人も出ていないのですから、紀州家から2人出たという事実だけから御三家が将軍になれる家柄であると一般ルール化するのはこじつけそのものです。
御三家と言うのは語呂がいいので定着していますし、それ自体好みの問題ですからいいろいろな分野で〇○御三家と言うのも勝手です。
また、アニメなどで、架空の設定をして皆が喜んでみるのも勝手でしょう。
黄門さんのテレビで、次々と起こる事件はでたらめであることは誰もが知った上で楽しんでいるに過ぎません。
何も目くじら立てる必要がないだろうと言う人もいるでしょう。
平成16年1月31日の「吉宗以降の幕府 2」のコラムで、娯楽物の主人公として繰り返すのは、国民に対する思想的影響力が大きいことを書きました。
徳川御三家や水戸家の持ち上げ物語は、架空の人物をテーマとするものではなく実在する人物・勤皇の水戸家というものに対し、無意識のうちに親近感を持たそうとする政治的思惑がありそうですから、問題にしているのです。
私に言わせれば、一橋、田安、清水の御三卿があったので、明治政府は何とかして勤皇の志の厚かった水戸家の格を上げる為に言い出した(政府自身ではなく、この意を受けた講談その他のマスコミが)ものではないかと思います。
慶喜も一橋家の養子になって初めて将軍になる資格を得たのですから、当時は将軍承継権と御三家は関係なかったと思います。
御三家と御三家とあえて言うならば、水戸を除いた将軍家と尾張、紀州家が御三家ではないかと思います。
というのはこの三家は、遺産分けその他かなり対等に近い付き合いをしているからです。
ま、もともとなかったものだとすれば、どちらでもいいことですが・・・・・。


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