02/27/03

遺言11(特別方式遺言の失効)民法44

特別方式遺言は、特別な環境下で、通常の方式を践めない場合の救済方法と言う位置付けですので、折角特別方式で遺言書を作っても、遺言者が普通方式で遺言を出来るようになったときから、6ヶ月間生存すると、その効力がなくなりますので急いで死ななければならなくなります。
死ぬのがイヤな人は、もう一度普通方式の遺言を作り直すしかないですね。
でも、これまでのコラムで書いていますように、自筆証書を書ける人は、伝染病棟でも、船の中でも書ける訳ですから、特別方式の遺言書を作る必要がありません。
ここで書いている遺言と言うのは、コラム遺言の最初に書きましたように文学的なものでなく、遺産相続に効力をもつ遺言に限定していますので、かなりの資産を形成した年輩の人を想定しています。
そのくらいの年の人で自分で文書を書けない人は、船に乗っている間と下船して6ヶ月の間に勉強して文字を書けるようにはならないでしょうから、下船したり伝染病から回復して退院しても、自筆証書遺言を書けないでしょうね。
そうすると、この遺言制度と言うのは『結局自分で文書を作れない人は、遺言をしたければ、公証人に頼まなければ効力を認めませんよ』と言う天下り役人の職域確保のための法律みたいな所がありますね。
そう言う目で見ると、自筆証書遺言がやけに形式が難しくって、大抵の人は厭になるように七面倒くさくなっている理由も分って来ますね。
要するに、成るべく、自分で作らせず、公証人に頼ませようと言う魂胆でしょうか?
そう言う面も有りますが、次のコラムに書くように、元々、民法を作った明治30年頃は言うに及ばず、昭和22年の民法改正の頃も、何とかして家の制度を守りたいと言う抵抗勢力が知恵を絞った結果と思います。
マッカーサーには逆らえないとしても、当時支配層の多くは、遺言するのは困ったものだと言う思想が強く、出来るだけ使い勝手の悪いものにして採用したものと思います。
現在の改革もやっと新しい法律が出来たと思ったら、役人にいろいろな条件を付けた法律を作られて、誰も参入出来ない郵便の民営化改革が骨抜きになる傾向があるのと似てますね。
今になって、マスコミも、遺言をすすめるようになった以上は、遺言をもっとし易くする必要が有るでしょう。

 


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