02/15/03

成年後見契約 4(民法33)

他人が後見人になると、利害対立が全くないのがメリットである事は、前回のコラムで書いたとおりです。
後見人にとっては、財産を子孫に残さなければならない動機が働きませんので、被後見人本人にとって良い事かどうかだけが判断規準になります。
このように、他人が後見人になった方が、被後見人本人にとっては、メリットが大きいのですが、老人は人一倍、騙されるのではないかと言う心配をするものです。
能力が衰えると、警戒心が強くなるのは本能として当たり前の事でしょう。
自分の息子にさえも、財産を乗っ取られる心配をしている人が多くて、なかなか若い人に任せず資産を死ぬまで自分で握っている人が多いのですから、他人に後見を委ねるのが合理的だと言っても、そこまで実行するには、未だかなり時間がかかるでしょう。
どうせ乗っ取られるなら、自分の息子の方がいいと言うのが多くの老人の心理でもあるでしょう。
でも、自分で契約して、成年後見契約を結んだ場合、後見開始にあたっては、まず後見監督人が裁判所で選任されます。
自分が元気な時に人物を見込んでおいても、後日悪人に豹変するかも知れないと言う心配はこれでかなり払拭出来る訳です。
後見人は、後見監督人の承認を得ないと大きな財産処分が出来ないし、節目節目でのチェックが働きますので、チェックのない息子達よりも安心です。
このように他人が後見人になると、横領や不正行為の心配は、意外と身内よりも確率が低いものです。
身内が管理すると、『使ってしまえば勝ち』みたいな所があって、比較的安易に被後見人の財産に手をつけ勝ちです。
何と言っても、相続人としてどうせ自分のものになるんだからという感覚があって、刑事事件にならないばかりか、(他の子供が告訴をしても簡単に受け付けてくれないでしょう)道徳的にも、痛みを感じないようです。
それに較べて、他人の場合は、使い込みが発覚すれば、刑事事件として、直ぐ立件されるばかりか、例えば弁護士などは、資格まで失いますので、億単位程度のお金欲しさにそんなリスクをかぶる人は考えられない所ですから、普通は心配ないのです。
しかも必ず一定期間ごとに預金残高証明をつけた会計報告をしなければなりませんので、すぐに必ず発覚する仕組みになっていますので、とても使い込んでなどいられません 。




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