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「えと」とは?2(陰陽五行説の日本版)

ところで、日本では現在「えと」と書いて漢字変換すると10干12支が出てきますので、一般に10干12支を「えと」と称しているようです。

世上、「今年のえとは・・・です。」と言うときは、12支の動物類をさしていることが多いのです。

しかし、「えと」とは、10干を陰陽5個のグループに分けて、甲(きのえ)に対する乙(きのと)の陰陽の繰り返しを前提に、たとえば、途中の丙「火のえ」丁を「火のと(ひの弟」と言い、癸を「みずのと(水の弟」と言うのは、陽の丙(ひのえ=兄)壬(みずのえ=兄)に対する裏番だからです。

ですから、「えと」とは、10干に対する陰陽2元的+五行説的思考の日本的表現と言うべきでしょう。

いわゆる「えと」は、日本で考えているような動物の意味ではなく、元々は兄(え)と弟・・・「え」と「と」を意味する陰陽の考えです。

以上のように、「え(兄)」と、「と(弟)」の関係は、10干に対する陰陽的思考を日本的に兄と弟に組み合わせただけで、12支には関係がありません。

12支には「えと(兄弟)の関係はないのです。

兄を「え」と言い弟をオトという表現は、古代に普通にあった「え」を兄に当てる用法は、古人大兄皇子、山背大兄王(聖徳太子の子)中大兄皇子(後の天智天皇)などで知られるとおりです。

乙については弟(おとおと)だけかというとそうではなく、大和タケルノミコトの東征神話に出て来る乙橘姫などで知られるとおり、もとは男女を問わず、弟妹年下を意味していたのです。

いわゆる乙姫様と言うのは妹の方の姫と言う意味です。

そう言えば、今でも相談者が「きょうだいの・・・」というときに、男兄弟なのか女兄弟・・姉妹なのか区別がつかず、漢字でのメモができなくて、一々聞き返すことがありますが、日本では古代には男女差よりは年長か否かが重要であったように思われます。

日本での「きょうだい」とは、本来は、はらから・同胞という程度を表す言葉で、最初は長幼の別もなかったのでしょうが、そのうち兄か弟か姉か妹かの区別が生じてきたものでしょう。

そこで、同胞でないときには義兄弟と言う言葉が多用されるのです。

2元的考えの始まりを考えると、超古代には、・・文明以前の自然状態の人類・・・多分何十万年もの長い間・・昼と夜・・陰と陽の区別がすべての基礎だったでしょうが、日本に暦や五行説等が入ってきた時代(紀元後5〜6世紀)には、既に社会が成熟とまで行かないまでもある程度長幼の秩序(兄か弟の区別など)が出来上がっていたので、自然現象である陰と陽にこだわる意味が薄れていたのでしょう。

そこで日本列島では、陰陽の区別ではピンとこないので、年長かどうかの基準に置き換えたことが窺われます。

いずれにせよ「えと」とは、10干を陰陽五行説に従って5セットにしたうえで、陰と陽の組み合わせにしたときの日本的呼び名であって12支とは関係がありません。

 

 



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