01/25/08
矛盾1
戦いに必須の塀や砦は,、漢字では土や石偏が多いのですが、わが国では板塀など木で囲うことが多かったのですが、これこそ、防御の最たるものでしょう。
たまに漢字の意味どおりに、土で塀を作るとわざわざ「土塀」と言うのですから滑稽ではありませんか?
石垣が登場するのは、戦国時代末の鉄砲出現以降です。
玄関ドアや引き戸・・雨戸が最近まで板で出来ていたのも、雨風からの防御やイノシシや熊などの野生動物からの防御だけでなく、人間同士の侵入者に対する防御材として見ることが可能です。
身に付ける移動用防御材である甲冑と言うと、今では鉄製・あるいは金偏の製品をイメージしますが、実は平安から戦国中期(鉄砲出現)までの鎧兜は、黒糸威しと言うように糸を細かく編んだものを漆などで塗り固めたものでした。
糸や和紙のできる前の防具の材料としては、木や篠竹等(植物繊維)を利用していた可能性が高く、その期間が長かったと思われます。
板塀や黒糸威しなどの表現はわが国だけのことですから、中国では、甲冑などにどのような材料を用いていたか知りませんが、人類の発達順序はどこでも似たようなものでしょう。
ただし、城壁は、石や固い土の突き固めたものが中国ではおおいので、自然環境が違う(黄土帯)点を無視出来ないでしょう。
攻撃材には、早くから鉄のやじりなど利用したとしても(それも先端だけなど一部利用が中心です)、防具の方にまで鉄器がまわるのはずっと後になるはずです。
しかも鉄器類は重いので、鉄器のふんだんにある現在でも鉄かぶと以外には、殆ど使われていないのです。
楯と矛に関する矛盾の故事がありますが、同じ材質の青銅製、または鋼鉄製であれば、こうした議論は起きないのです。
楚人有鬻盾与矛者。誉之曰、
「吾盾之堅、莫能陥也。」
又誉其矛曰、
「吾矛之利、於物無不陥也。」
或曰、「以子之矛、陥子之盾、何如。」
其人弗能応也。(『韓非子』難編(一)
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