01/22/07

憲法195(法の下の平等思想と相続制度2)相続税法36

たとえば、課税対象額が1000万円までは10%の税率ですから、9000万円の遺産があっても、基礎控除8000万円を引いた課税対象1000万円の10%すなわち100万円しか税金がかからないので、8900万円の手取りがあることになるのです。
これが遺産2億とか3億〜10億になってくると、もっと手取りが多くなって、貧しい人との生まれつきの格差が、かなり大きくなります。
どの程度の基礎控除にし、課税対象に対し、どのような税率にするのが、法の下の平等精神に反しないかの議論が必要なのです。
現行程度の相続を許容する税制が、憲法の法の下の平等に反するとして、訴えた人を知りませんが、国民一般に許容されているからでしょうか?
あるいは、このテーマでは憲法違反の訴えをする原告になる資格ができない点にも、そうした裁判例が出てこない原因があるのかもしれません。
日本では、憲法訴訟は、抽象的な法制度が憲法違反であるとして訴えることが出来ないことになっています。
具体的な争訟事件(この法律で自分が損をしたとか、その法律で自分が刑事事件に問われているなど)があって、その前提としてその法律が憲法違反かどうかしか争えないない仕組みです。
自分の直接の損得に関係ないことは、余計な御世話だから、口出しするなと言う思想でしょう。
ドイツでは憲法裁判所というものがあって、国民は自分の損得に関係なく訴えることが出来ると言われています。
ただし、昔習ったきりですから、どう言う要件があったら個人が訴えることが出来るのかまでは知りません。
日本の違憲立法審査権ですと、基礎控除や、税率が低い方が、個別の納税者には、有利ですから、その法律で損をしたといって、裁判で争いようがないのです。
もっと、基礎控除を下げろと言う訴えは、その人にとって損な主張ですから、訴えようがないのです。
遺産9000万円の人が、基礎控除が8000万円まででは憲法違反と言う訴えをするならば、もっと基礎控除上げろと言うことになりますが、基礎控除を多すぎて損したと言う訴えはする余地がありません。
「金持ちから相続税を取らないのは、回りまわって何らか自分に損している筈だから」と言う理由では訴えることが出来ないのです。
ドイツのように、抽象的な裁判・・公正に反すると言う裁判が出来れば、回りまわって自分が損しているのではないか?と言うことの救済になるでしょう。



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