01/18/07
紙幣と国債2(超低金利と世界の株高)金利調節機能の低下
日銀による量的緩和・・膨大な紙幣発行にも拘らず、インフレにならなかったのは、同時に決定した超低金利政策によるところが大きいのです。
海外機関投資家が日本の超低金利を利用して、日本の円で借金をして、これをドルに換金して高金利の海外で資金運用しているからです。
国内は不景気で金利を下げても、設備投資の機運がなかったのですが、機関投資家は海外の資金需要に目を付けたのです。
今では個人でも海外株式などの購入が盛んですから、皆さんもご存知でしょう。
これが世界同時株高現象の原因ですが、お蔭で日本からどんどん円が流出している・・ドル購入が増えているので、円安になるので日本企業も輸出で持ち直したと言う訳です。
貿易黒字分以上に個人も機関投資家も海外投資に励んでいるので、円高になるどころかここのところジリジリと円安になっているのです。
その分円が海外にかなり流出しているでしょうから、貿易赤字を出しているのと結果的に似ていますから、将来的には問題が生じる可能性があるでしょう。
1月17日・・・1「国債と非兌換紙幣の違い(時間の超越)」のコラムで、財務省証券という商品を、アメリカが輸出しているのと同じだと書きましたが、日本が世界中から株式を買うのは、世界中の株式と言う商品を輸入しているのと同じです。
証券投資は、金儲け目的だから輸入・・貿易赤字ではないと思う方がいるかもしれませんが、鉄鉱石や石油の輸入による貿易赤字も、これで車や石化製品を作って儲けるために輸入しているものですから、その先で儲けるつもりか自分で使うつもりかはあまり意味がないのです。
投資活動が活発と言うことは・・今は輸入超過・・その結果円安になって来ていると言えばいいでしょうか?
昨今、金利を引上げするかどうかで日銀の独立性が議論されますが、日銀の独立性の必要性は紙幣価値の維持にあるのですから、金利さえ自由に決められればよいと言う発想は間違いです。
むしろ、金利動向は、経済政策に重要な影響を及ぼすのですから、金利調節の方こそ経済運営に責任のある政治の意見を聞くべきでしょう。
日銀・・中央銀行の独立性は、紙幣の暴落を防ぐことにあるのですから、今の時代には、金利よりも国債の引き受けの方にこそ独立性を持たせる必要があるのです。
日銀が国債を引き受けると、その限度で事実上紙幣の増発・・価値が下がるのですから、日銀券の大量発行で、民間銀行の国債引受に誘導し、他方で日銀自身が国債を大量に引き受けていると何のために、独立性が保障されているのか分からなくなってしまいます。
日銀や政府機関その他で国債を引き受けないと、国債の買い手がなくて、自ずから国債の流通価格が下がる・・・すなわち金利が上がるのですが、日銀などの買い支えで、金利上昇を阻止してきたのです。
今では、金余り社会で、公定歩合の上下が経済社会に与える影響は限定的です。
金利の上げ下げだけを、神経質に議論するのは、国債発行額総額の議論に比べれば、小さな意味しかなくなっているので、実態に合わないでしょう。
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