01/17/07

紙幣と国債1(建設国債)

紙幣と国債の比較に戻しますと、国債の発行は紙幣の発行とは違い、紙幣の増刷のように紙幣価値を直ちには、低下させない(紙幣の信用を守る)と言う意味では、効果が違う点があります。
このように増税でもないし、紙幣の増刷でもないと言うことで、今でも便利なので国債の発行が世界中で、重宝されているのです。
さらに、赤字国債ではない建設国債の場合になると、固定資産が残されてこれを利用する子孫が、その建設コスト・・・借金を払う方が、公平であると言う考えも強調されます。
建設国債の考えを殆どの方がご存知と思いますが、ある組織を例にすれば、20年ほどの期間にわたる会員の積みたて資金を利用して、○○会館を建設した場合、会館完成後1年で脱退した人は、殆ど利用できないで損をしたことになります。
他方で、完成後に入会した人や、完成の数年前に入会した人は殆ど建設費を支払わないで、今後その会から脱退するまでの数十年ないし50年も無償で、その会館を使えることになります。
こうしたことが不公平だから、積み立てないで借金で建てて、使っている現役会員がそのローンを払っていくのが公平だと言う考えの応用が、建設国債の考えです。
ただし、30年先の国債の場合、30年先には、その構築物の寿命が来つつある可能性が高いので、取壊し費用を負担するだけの世代が、30年前の借金を払うのでは、逆に不公平です。
矢張り、その間も利用に応じて住宅ローンのように、毎年元利均等にローンを払う仕組みの方が合理的でしょう。
と言うことは、建設国債として長期国債を発行するのは、不公正なのです。
では、建設国債であろうとも赤字国債であろうとも、この国債を市中で消化できず、日銀が引き受けたらどうなるでしょうか?
日銀による国債引受を許容するかどうかは、大きな経済問題となります。
メーカーが子会社に製品を買わせておいて、(その在庫のままで)売れた売れたと発表しているようなもので、一種の粉飾決算になるからです。
言うまでもなく日銀・・世界中の中央銀行は、政府からの金融政策について独立性を付与されているのですが、その大元は紙幣発行が始ったことと軌を一にしているのですから、金の裏づけのない紙幣価値の信用性維持の為から始ったことでしょう。
何しろ金の裏づけのない紙幣を、政府がいくらでも発行できるとすれば、つい自制心が緩んで発行しすぎになりインフレに苦しむことになるからです。
勿論、そうなると日本紙幣は世界中から信用されなくなって、貿易業務が滞り、結果的に国内でも日銀券よりは、よその国の紙幣の方が、重宝されるようになってくると、国家主権が事実上失われかねなくなってくるでしょう。



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