01/15/07

通貨偽造罪・・刑法68(通貨法)

この機会に通貨偽造罪を見ておきましょう。
刑法では、153条で準備段階でも、ちゃんと処罰できるようになっています。

刑法第十六章 通貨偽造の罪
(通貨偽造及び行使等)
第百四十八条 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。
2 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。
(外国通貨偽造及び行使等)
第百四十九条 行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、二年以上の有期懲役に処する。
2 偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。
(偽造通貨等収得)
第百五十条 行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三年以下の懲役に処する。
(未遂罪)
第百五十一条 前三条の罪の未遂は、罰する。
(収得後知情行使等)
第百五十二条 貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。ただし、二千円以下にすることはできない。
(通貨偽造等準備)
第百五十三条 貨幣、紙幣又は銀行券の偽造又は変造の用に供する目的で、器械又は原料を準備した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

ここで言う通貨とは、強制通用力のある貨幣と言う意味です。
強制通用力とは、その貨幣で支払えば、それで債務を履行したものとなるという意味であり、強制通用力のある貨幣を提示されたのに、これの受領を拒否しても受領遅滞になり、相手に債務不履行の責任を追及出来ないと言う意味です。
あるいは日本では、ドルやフランは強制通用力がないので、1万円の買い物で、時価1万円以上のドルを出して「釣りはいらない」と言っても、店の方ではドルの受け取りを拒否できると言う意味です。
貨幣とは従来貨幣法(明治30年)で規定される貨幣のことでしたが、貨幣法は、明治30年に制定されてから、幾多の改正を経て、昭和62年に現在の「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」として全面改正されました。
(以下面倒なので、通貨法と略称します)
同法もついでに紹介しておきましょう。
同法では、以下のように、通貨とは、日銀券を言い、貨幣(硬貨のことです)の方は、政府(造幣局・・今は独立行政法人になったらしいです)が製造できますが、これも直接発行できず、日銀に売り渡す形式が要求されます。
しかも、日銀券は使用枚数に制限が有りませんが、貨幣(硬貨)の強制通用力は20枚に限られる「補助貨幣」の扱いです。
債務者からみれば、20枚までは、支払いに使えるということです。
強制通用力があると言うことは、債権者が硬貨はキライだといっても、20枚までは受領を拒否すると受領遅滞になると言う意味です。
250円の支払いのときに10円玉25枚出したりすると、相手に断られると有効な支払いとはなりません。
同じ硬貨を20枚までしか使えないと言うことですから、1500円の支払いに、いろいろな硬貨取り混ぜて、合計21枚になっても構いません。

通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
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公布:昭和62年6月1日法律第42号
施行:昭和63年4月1日
第二条 通貨の額面価格の単位は円とし、その額面価格は一円の整数倍とする。
2 一円未満の金額の計算単位は、銭及び厘とする。この場合において、銭は円の百分の一をいい、厘は銭の十分の一をいう。
3 第一項に規定する通貨とは、貨幣及び日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第四十六条第一項の規定により日本銀行が発行する銀行券をいう。

(貨幣の製造及び発行)
第四条 貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する。
2 財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)に行わせる。
3 貨幣の発行は、財務大臣の定めるところにより、日本銀行に製造済の貨幣を交付することにより行う。
4 財務大臣が造幣局に対し支払う貨幣の製造代金は、貨幣の製造原価等を勘案して算定する。
(法貨としての通用限度)
第七条 貨幣は、額面価格の二十倍までを限り、法貨として通用する。



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