01/15/07

国債発行と国民戦争4(国債と紙幣1)

ところで、政府の信用で発行するものとしては国債と紙幣があります。
何故誰の保証もいらない紙幣から発達しないで、国債から先に発達したのでしょうか?
その違いは何でしょうか?
政府の信用が弱いときには、国債の場合は、限定した債務ですから保証でカバ−出来たのでしょうが、紙幣の場合は保証人をつけることが出来ないものですから、国債から先に発達したともいえるでしょう。
その他、内容面の違い・支払いまでの時間差も大きいのですが、それは後で書きます。
兌換紙幣が、当時発行されていたかどうか詳しくは分かりませんが、仮に発行される時代としても、まだまだ、金本位制でしたから、紙幣の場合、金の裏づけがなければなりません。
(アメリカでさえが、金と$の交換停止したのは、やっとニクソンショックといわれた1971年のことでした。)
これに対し国債は借金ですから、こうした裏付けは不要です。
(多分日本同様に金貨の時代だったでしょう・・・バルザックの本だったか?ゴリオ爺さんと言う題名の作品で、近代でも金貨を壷に溜め込むストーリーでした)
しかし、今では非兌換紙幣(不換紙幣と言うのかな?)時代ですから、金の裏づけの要らない点では同じですが、どうして今でも両方があるのでしょうか?
ここで、わき道ですが、両方の発達の経過を見て行きましょう。
内容実質でなく、外形だけで発達の時間差を考えるには、額面単位が違うことが大きな原因だったでしょう。
紙幣は日常的に使えるようにするために、細かいバラエテイ−がなければなりませんし、同じ種類の紙幣が大量に流通しなければなりませんから、印刷技術の発達が必要です。
これに対して国債は、大口融資先に対する一種の借用書みたいなものでしかないのですから、大量流通を前提としていなかったのです。
今でも国債は、100万円単位が基本です。
この大量発行の必要性・・紙幣の発達には高度な印刷技術の発達がなければならなかった点が、紙幣の発達を遅らせた大きな原因でしょう。
明治政府が、太政官札から欧米並に兌換紙幣に切り替えようとしたときに、印刷技術がないために最初ドイツにまとめて印刷を頼み、その紙幣に十円、2十円とか政府の判を押して使っていたことからも分かるように、紙幣の発達には、高度な印刷技術、均質な高級紙の大量供給体制など、総合的技術の発達を待たねばならなかったのです。
和紙は高級ですが、それだけでは紙幣向きではなかったので、コンニャクを混ぜたりいろいろ工夫したものの、今度は虫に食われてしまうなど失敗だらけの連続でした。
何しろ印刷レベルが低い・・工程が単純なので、(ゴム印を押しているだけでは・・・)直ぐに偽造されてしまう欠点があったのです。



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資