01/12/07
賭博場と恐喝(親切と共犯)
前回「出来レース」と言う変な言葉・・俗語を紹介しましたが、この機会に「出来レース」の一種である恐喝などの実際を紹介しましょう。
賭場では、胴元が勝負の成り行きをじっと見ていて、誘われた来た客が持っていった金だけ負けたら返ろうと思っていると、胴元・貸し元がすかさずポーンと札(今で言えばゲーム専用コインみたいなものです)を投げてきて自動的に貸してくれるのです。
三度笠・股旅物の映画などで、親分衆のことを「○○のの貸し元」と言う言い方がしばしばあるのは、このように、胴元=親分が、貸し元を兼ねるからでしょう。
勿論、「悔しいでしょう、もうひとフン張りだ頑張りしなせえ」などと声を掛けながら投げてくるのですが、間髪入れないタイミングは絶妙です。
こうして、大抵の人は断りきれずに、持ち金ハタイタ後にもゲームを続けてしまう仕組みになっていて、大負けしてから帰るのです。
こうした場合どんなに負けても帰る電車賃と言うか車代くらいは貸してくれるしきたりです。
(「戻り」と言いましたが、今は何と言うか知りません。)
こんな見たようなことを書くのは、検察修習時代に、元賭博のプロの実演を見学して、試みに「おいっちょカブ賭博」の賭けをやらせてもらったことがあるからです。
勿論、現役ではなく、既に改心している人で、我々修習生のために賭博場の実際を、道具もそのままで、実演して見せてくれた経験によるものです。
恐喝被害事件では、ああ言えばこう言うパターンで、いろいろと押し込まれて、ついには一定のお金を払わざるを得なくなった段階で、被害者が最後の抵抗として
「それにしてもそんな大金は有りません」
と言い訳するのが普通です。
そこで、すかさず、横から「あそこへいけば俺の顔で貸してくれるから・・」と助け舟を出すヤカラがいます。
「ありがとうございます。助かりました。」
と言う表向きの話で、そこから借りて、脅された金を払う仕組みです。
口をきいた人は、借りたお金から、何割か謝礼を貰う仕組みですから、被害者は、恐喝されたお金よりも余計借金が残ることになります。
そして今度は、「借りた金は間違いなく返してくれよ、折角助けてやった俺の顔をつぶさないで・・」と言う話になるのです。
私が検察修習生時代に取り調べた恐喝事件では、最初は、脅されている被害者は脅されている意識がなく対等に口論していたのです。
ところが、脅している方のやくざの知り合いでもある被害者の友人が、被害者に対し、
「この人は普通の人ではないから偉そうな口をきいていると後で大変なことになる」
と親切に?教えてくれたことから、被害者は急にビビッテしまって大金を払う約束をしてしまった事件がありました。
このヤクザは、いわゆるインテリヤクザで、結構頭が良くて取調べには苦労したので今でも記憶に残っています。
この友人のお蔭で、ヤクザは特別な脅し文句を使わなくとも、目的を達してしまったのです
周りの親切って、恐ろしいこともあるのです。
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