01/31/06
組織の権限を子に受け継がせることを正当化ためには、当然、個々人財産の相続も血統による世襲制が奨励されます。
こうして儒教道徳は、戦乱期でなく、これを統一した王朝で重視されていくのです。
儒教の教えでは、いわゆる「社稷」の重要性が説かれる所以です。
折角子に財産・・権力も同義でしょう・・・を受け継がせても、子が親を大切にしないのでは元も子もないので、またこれとセットにした道徳として、長幼の序や親孝行の道も同時に強調されていくのです。
まさしく、儒教道徳は「忠孝」の一言で言い表される所以です。
要するに儒教とは、相続法制とその思想教育体系なのです。
他方で、病弱になってからの期間が長くなりますと、米など衣食住の財産だけあればいいだけではなく、身の回りの看護や給食の世話も重要になってきます。
この方面でも、同居期間の長い肉親の方がやさしいのは当然と言うか一般的ですから、この方向へのインセンチブを高める意味からも、血統による相続が重視されるようになってきます。
現在でも、相続では特別寄与者の寄与分を考慮するようになっているのは、同じ思想です。
民法を見ておきましょう。
民法
(寄与分)
第904条の2 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第900条から第902条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。
《改正》平16法147
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。
《改正》平16法147
4 第2項の請求は、第907条第2項の規定による請求があった場合又は第910条に規定する場合にすることができる。
上記の条文は、最初からあったものではなく、ここ15年ほど前に新しく付加されたもです。
これまでは親子の情とか儒教道徳で、カモフラージュされて来た相続制度(財産管理=承継と介護)でしたが、
「親の面倒を見たものが、その分だけ多くもらえる」
と言う剥き出しの利害が表に出て来たのです。
情愛や儒教道徳の強調では間に合わなくなって、これまで書いて来た相続の本質が剥き出しに現れたものです。
この方面・・・・相続に関連する道徳・・思想生成の検討は、もう少し時間をかけてやりたいと思いますが、今は皇室典範改正に必要な限度でのコラムですので、以下簡略に書いて行きます。
このように長い間人類は、財産保存方法と管理=権力の仕組みが重厚になっていたことと、看護が家族の愛情と言うものに頼って来た結果、世襲制度が長い間実効性を保って来たのです。
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