01/30/06
嫡出の否認権行使は裁判上の行使でなければならないと紹介しましたが、遺言の効力を一部失効させるための遺留分減殺制度との比較をしてみましょう。
遺留分については、07/18/03「遺留分14(民法76)(減殺請求権の行使期間 1)」前後のコラムで連載しました。
同じ意見表明でも、遺留分減殺権の行使は、裁判上の請求でなくともよいだけでなく、どこに届ける必要もなく、単に(なんらの形式も問わず口頭でも)意思表示しさえしておけば、後はそのままでも期間無制限に、たとえば、100年でも200年でも有効です。
勿論、言った言わないの立証の問題が生じますので、実務では内容証明郵便で意思表示しておくのが普通です。
そこまでしなくとも、「遺留分としてこれだけ寄越せ」、とか、相手から「遺留分としてこれで納得してくれ」とかのやり取りの証拠があれば、それでもいいと言うのが意思表示の形式を問わないと言う意味です。
この結果100年後でも、100年前に意思表示しているので、家屋敷の何分の1は俺のものだから、分割してくれと言う裁判が出来るのです。
100年間無償使用していた不当利得請求の方なら10年以上前の分は時効になるのですが、遺留分減殺請求権行使の効果は、物権的効力説と言って、100年前に意思表示したと同時に6分の1とか4分の1とかの遺留文の割合の共有になってしまうことになっています。
所有権・共有権自体に時効はないので、あとは、その権利とおりの登記請求を求める権利行使だけが残っていることになります。
単独所有の場合は引き渡し請求権もありますし、共有の場合は、07/14/03「遺留分権行使の効果 4(民法65)(共有分割)」のコラムで紹介しましたが、その利用方法や分割の協議も出来ます。
この登記請求権は、共有持分とか所有権に基づく権利ですから、もとになる共有権がある限り、不断に発生している権利ですから、時効になる余地がないのです。
時効の問題は、書き出せばいろんな角度から書かないと分かり難いので、そこに深入りすると皇室典範改正問題が何年も先のコラムに行く危険がありますので、ここはこの辺で終わりにしてまた後に書くときまでお預けとしましょう。
以上のとおり、遺留分制度と比較すると、「裁判しない限り、認めない」と言うのはかなりきつい制度である事が分かるでしょう。
他方で遺留分のコラムでも書いて来ましたが、政府の方は遺言・・・家産の自由処分行為に対し、いかに敵意を持っていたか(簡単に覆せるような制度にした)もわかるし、逆に
「妻の子は原則として夫の子にするべきだ」
という強い意思も分かるでしょう。
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