01/30/06

嫡出否認制度3(民法152)否認権制限2(承認出訴期間制限

嫡出子については、07/19/03「相続分1 (民法78)」前後の説明で書いたつもりでしたが、よく見るとその連載途中で話が夫婦とは何かなど書いているうちに税金に行き、そこから、話が横に言っていることがわかりました。
早くもとに戻すように努力します。
嫡出そのものの説明については、もとにもどった時の説明に譲るとして、以下の条文で分るように先ず、一回でも承認する(776条)と、もはや、夫は否認できません。
次に承認したかどうか証拠上不明でも、あるいは、出生以後揉めていても、それだけでは駄目で、出生を知ってから1年以内に裁判しなければ、最早、訴えることが出来なくなるのです。
揉めることがあっても、1年以内に裁判までしなければ駄目となれば、期間が経過してしまう人も多いでしょう。
前回のコラムまで書いたように、親子関係を決めるのに日本では血統・・客観的真実を問題にしていないばかりでなく、兎も角   
 「妻が生んだ以上は、なるだけ夫婦の子にしてしまおう」
と言う政策意図が明らかです。
否認の仕方も一寸した届出ではなく、裁判までしなければ、否認できないとなれば、かなりの人が躊躇するでしょう。
   「裁判までしたい人だけが、やりな」
と言うのですが、今では、かなり裁判も身近になりましたが、戦前までは、裁判すると言うのは、大変なことでした。
まして、夫婦間で裁判までするとなれば、夫婦関係は破綻でしょうから、離婚状態になる場合以外は認めませんというのに等しいでしょう。
躊躇している内に1年立てば最早アウトですから、こういう厳重な縛りをかけた立法府の意図がわかるというものでしょう。
よほどの例外的場合・・・本当の不義密通の子・・(このときでも夫が一たび許してしまえば駄目です)以外は、
    「真実はどうであれ、夫婦間の子は夫婦の子にしろ」
と言うのが立法府の意思ですし、当時の慣習法でもあったのです。
ついでに、同じく後で覆せる制度である遺留分減殺権の行使の容易さと比較しても、嫡出否認に対する厳重さが際立っているのです。



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