01/30/06

嫡出否認制度2(民法151)否認権制限1(実親からの請求禁止)

それどころか、この一連の条文には、夫の方が一たび承認したら、最早否認できない規定まで明文化されているのです。
このことは、誰の子かと言う客観的真実を全く問題にせず、承認したか否かだけで決めるのですから当事者の考えに任せると言う立法府の意思表示でもあるでしょう。
出訴期間制限も、承認の有無の争いを、時間の経過だけで、勝負着けてしまおうと言う政策の表明です。
また、この裏側の規定ですが、本当の親である男の方から
    「自分の子だ」
と訴えることを禁じる目的をもった規定でもあるのです。
嫡出子になってしまうと、「嫡出否認の訴え」は、774条で夫にしか訴える資格が認められていないからです。
民法をもう一度見ましょう。

民法
(父を定めることを目的とする訴え)
第773条 第733条第1項の規定に違反して再婚をした女が出産した場合において、前条の規定によりその子の父を定めることができないときは、裁判所が、これを定める。
《改正》平16法147
(嫡出の否認)
第774条 第772条の場合において、夫は、子が嫡出であることを否認することができる。
《改正》平16法147
(嫡出否認の訴え)
第775条 前条の規定による否認権は、子又は親権を行う母に対する嫡出否認の訴えによって行う。
親権を行う母がないときは、家庭裁判所は、特別代理人を選任しなければならない。
《改正》平16法147
(嫡出の承認)
《改正》平16法147

ま、話し合いで、「ある家の子としよう」と言うことで、ある家の妻がある男との間の子を産んだあとで、その男がその子は、実は自分の子供だと言う権利がないと言う歴史を経て来た結果です。
これは、夫が一たび承認したら最早否認できないと言う規定と表裏一体の規定として理解できるでしょう。
現在の人工受精でも、どこの誰の精子を使うか分らないようにしていると思いますが、昔も観音堂などの参篭中に誰かわからない関係で、妊娠する仕組みがあったのでしょう。
物語では、「観音堂に籠もっていると・・・」と言う話が一番多いのですが、その他にもあちこちの神社仏閣に行くと「子宝に恵まれるご利益がある」と言うのは、昔の授産施設の名残かもしれません。
もしも、男の方で「どこそこの女房殿」と知っていたからと言って、「あそこの子は自分の子だ」と訴え出るなどは、昔から許されなかったのです。
これは道義的に許されないだけでなく、不義密通として死刑・・刑事処罰の対象にもなることですから、絶対に口をぬぐう形式でした。



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