01/28/06
明治維新以降、慣習法であった天皇制が法制化された経過については、05/19/04「皇室祭祀令 2と雅子妃殿下の苦悩1」のコラムで、各種皇室関係の法令を年表で紹介しました。
このときに、諸外国に倣って、(院政の悪夢もあったのは当然です)天皇の地位が終身制となり、生前譲位の制度が否定されてしまいしましたが、むしろわが国の古来からの生前退位制度の方が、現実に即した優れたものだったと思います。
これから如何に長寿社会がきても、死亡のそのときまで、職務をこなすのは、物理的に不可能ですし、最後は何も出来ないで、誰かが代行するしかないのですから、終身と言っても実質的には名誉称号と何ら変わりがないのです。
隠居しても、直ちに平民になるのではなく、名誉称号は歴史上存在しましたし、それなりの生活費や、警備などを受ける資格を温存するのは当然でしょうから、その点は同じなのです。
どうせ死亡直前は自分で政務を出来ないならば、はっきり引退して、次の有資格者が堂々と自分の名で責任を持って政務を取ったほうが明朗です。
終身制だと誰かわからない匿名のものが、実際は、意識不明の国王の判をほしいままに代行する危険の方が大きいのです。
秦の趙高による始皇帝の遺言の贋作説(後世の作り事かもしれませんが・・・)は、その最たるものでしょう。
昔は隠居すれば、決裁権や廟堂の会議を主催できず、隠居するしとしないでは、実際は大違いでしたが、今の国王や天皇には、そうした実権がなく名誉的な仕事しかないのですから、隠居して太上天皇とか言われても、日常的には殆ど変わりがないはずです。
現行の終身制のままだと、皇太子・・王子様が白髪になってしまい、やっと天皇になると既に老人と言う次第で、天皇は文字とおり日本の「老人社会の象徴」と言うことになりかねません。
長寿社会以前には、政務を取れないほどの健康状態(危篤)になってから、死亡までの期間が短かったので、余り問題が生じませんでしたが、これからは寝たきりになってから、5年や十年は生きることがザラにある時代です。
摂政制度と言うのは、あくまで臨時の事態を想定した制度であって、10年単位で摂政を勤めるのが普通の時代になれば、その前提たる終身制自体が制度的におかしいと言えるのではないでしょうか?
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