01/15/06

待ちぼうけの世界(釈耒とは?)

以下の漢文は、本当にあった話ではなく、法家の韓非子が保守的な儒家を非難するために説明した例え話とのことです。  
     
      宋人有耕田者。田中有株。兎走触株、折頸而死。    
      因釋其耒而守株、冀復得兎。  兎不可復得、而身為宋国笑。

漢文の初歩のときに習う文章ですし、読める方が多いと思いますが、念のために読み下しておきましょう。
   宋ヒトに田を耕すものあり、田中(でんちゅう)に株(くいぜ)あり。
   ウサギ走りて株に触れ、頸(クビ)を折りて死す 因りてその耒(すき)を釋(棄)てて株を守り、
   復(また)ウサギを得んと冀(こいねが)う  復(また)ウサギを得べからずして、
   身は宋国の笑いとなれり
ここで言う「田」は、日本の水田ではなく、白田すなわち畠であることを12/23/05「水田と畠の違い(男女の立場の基礎)」のコラムで紹介しました。
ちなみに「釈」を棄てると読むのは、釈=解きほぐす=釈放の意味から分かるように、鋤を手放すことから転じたものでしょう。
ついでのついでに「釈耒(しゃくらい)」といえば、農業を放棄すると言う熟語になるそうです。
今では、スキ(鋤)と言えば金ヘンですが、「耒」だけで、スキを表すのは、漢字の出来たころには、金属を利用する時代ではなかったからでしょう。
耒は、名詞だけでなく、動詞としても使われます。
耕作の耕がそれで、田を鋤いて整然とする意味です。



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