01/12/06
01/21/04「中世から近世へ(国家権力の強化)1」のこらむで、塙団右衛門のドライな生き方を紹介したことがありましたが、武士も元はギブアンドテイクで、転職自由でした。
改易断絶がなくなり、大名家が安定して新規召し抱えがなくなり、転職の自由がなくなってくると、次第に終身雇用化してきたのです。
一方で、一生どころか子々孫々まで面倒見る義務を負う以上は、勝手に脱藩することは許されないと言うルールが誕生するのは必然でしょう。
いろいろなルールには、その裏表があるのです。
武士が窮屈な世の中となって、その次に農民の転職・居住移転の自由を制約出来るようになったのが、1750年と言うわけで、ついに権力による人民管理が法令上完成したといえるでしょう。
日本の終身雇用慣習・思想的基盤は、江戸中期から農民に定着を求めるようになり、これが成功したのが、その原型となったのかもしれません。
日本人の窮屈な考え方も、このころ(松平定信の寛政の改革)から始ったものではないでしょうか?
終身雇用に関しては、高度成長期に生じたに過ぎないとも言われていましたし、私もそのように思ってきました。
企業が永遠に続くような印象を国民に与えたのは、高度成長期以降のことで、それまでは企業の倒産は普通でした。
ですから、私の育ったころには、「手に職をつける」という教えがあって、生きていく知恵として教え込まれて育ったものです。
高度成長期のころから、はじめて現実に終身雇用を保障できるようになったに過ぎないとしても、その期待感の根・源流は、この逃散禁止令に始るのかもしれません。
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