01/31/05
立証責任の転換3(刑法26)鑑定費用と国選弁護(憲法101)
ところで、普通、自己の立場を有利にするための証明費用は、(目撃者を探したり、示談したり、雇い主に裁判に出てもらったり)その利益を受けるものが負担するのです。
ところが、責任無能力の主張、立証責任が被告人にあるとすれば、無能力の疑いのある被告人には、莫大な鑑定費用を支出できる人は滅多にないでしょうから、被告人の防御権を保障するためには、こうした費用面は政策的に国家責任にして解決すべきではないでしょうか?
その方法には、刑法自体に責任能力の立証責任が検察にある書き方をして明文で解決するかまたは被告人の立証責任としても費用負担だけ別に国が負担すると定めるかでしょう。
自分が無能力かどうかの立証を精神病者である被告人に求めるのは無理ですから、もしも故意過失の立証責任の転換が自動的に無能力の立証責任まで移転してしまうと言う解釈になるならば、(私は必ずしもならないと言う考えですが・・・)明文で検察の立証責任にするのが妥当だと思います。
立証責任を被告人のままにして、費用負担だけを国庫負担とする定める方法を採用するのは、(憲法で保障されている被告人の弁護人選任権は、本来は自己費用で頼むのが原則ですが、)実際上お金のない人のために国選弁護制度があるのと同様の考慮です。
国選弁護は憲法上の権利ですが、鑑定費用を国費で賄うとしても、憲法精神の拡大であって、違反にはならないでしょう。
逆に費用を賄わないまま、立証責任を転換すれば、憲法違反の疑いが生じます。
国選の規定によって見ると、憲法は刑事被告人の防御権を経済的側面からも実質的に保障すべきだと言う立場であることが明らかだからです。
憲法
第37条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
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