01/31/05
主張と立証責任の分離
昨日は少し難しい議論を書き過ぎましたが、私自身よく分らないで裁判していたことも良く分りました。
何しろ実務では、精神鑑定を求めるだけでは裁判所が簡単に採用してくれませんので、鑑定申請が採用されるまでが努力の中心で、採用されたら、責任能力に関しては弁護側はほぼ安心と言うところで終わっているのが実情です。
これを法的に見れば、主張責任だけを尽くしていることになるのかもしれません。
法学的に「主張、立証責任」といわれ、私もこれまでのコラムで、「主張および立証責任」と分けて書いてきましたが、この機会にこの区別も説明しておきましょう。
普通は主張責任があれば、それに付随して主張したことを立証する責任も付いて回る筈です。
例えば、「お金を貸した」と主張する人が貸金の証明をしなければなりませんし、「返した」と主張する人が返した証明をする必要があります。
責任能力に関しては、条文の立て方もあって、主張だけは弁護側でしなければならないが、無罪推定の関係で事実(にはいるかな?)の立証活動は全て検察側という運用で確立しているのかもしれません。
こうしてみると刑法学者が、責任能力のあることは犯罪成立要件だとも言いながら、責任阻却事由だと言う説明は、半端なのではなく実務と整合している立派なものだと分りました。
ただし本音を言わせて貰うと
「やっぱり半端ですよ〜!」
主張だけの責任で後は検察任せと言うのは観念的にはありえても、実際的ではありません。
要するに「無罪の推定」と言う「ドグマ」に振り回されて、何もかも検察が立証すべきだと言う建前を崩せず、分り難くなっているだけではないでしょうか?
そのために本にもきっちり書けないでうやむやにしているし、我々法学徒もよく分らないような気分で今まで来たのです。〔私の勉強不足だけかもしれませんが・・・・・)
1月30日・・・・1のコラムで提案したように、合理的範囲で立証責任を転換する柔軟な考えで体系を作り直せば、もっと分りやすくなるでしょう。
こんなわけで、勉強不足でいろいろ書きますが、却って「怪我の功名で?」読者には法学のからくりが分り易かったかもしれません。
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