01/24/05

「法治国家6」 (汽車とガソリンカー・・・類推適用の禁止)刑法24「罪刑法定主義」

私が考えるには、法律は、君権制限のためでもなければ、人民取締りのためでもない、「集団の運営の仕組みを決めただけである」と言う原点に帰り、社会が快適にスムースに動くための交通整理のルールに徹するべきだと思います。
その反射的効果として表にルール違反に対する取り締まりがあり、裏に法で予め決めた法規違反以外には、政府の都合で取り締まってはいけないと言う人権保障機能もあるだけでしょう。
法の目的がそれだけだとすれば、罪刑法定主義というドグマを定立して、そのドグマから導かれる類推適用が絶対悪のような言い方をすべきではありません。
刑法に汽車、電車転覆罪があったものの、当時ガソリンカーやジーゼルカーがなかったために規定がなかったところ、これを転覆させた事件では、裁判所は電車・汽車の類推ではなく、拡張解釈だといって有罪にしました。(大判昭和15・8・22)
刑法を見ましょう

刑法
第126条 現に人がいる汽車又は電車を転覆させ、又は破壊した者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
2 現に人がいる艦船を転覆させ、沈没させ、又は破壊した者も、前項と同様とする。
3 前2項の罪を犯し、よって人を死亡させた者は、死刑又は無期懲役に処する。

私の以上の考えによれば、法の目的から言って、列車の機関部分が汽車(蒸気機関)かガソリンカーまたはジーゼルカーかによって処罰の必要性が変わる訳がありません。
また処罰したからと言って実行者に対して不意打ちにならないでしょうから、(汽車なら転覆させてはいけなくて、ガソリンカーなら許されると考える方がおかしいでしょうし、そう考えていたとしてもそんな人まで保護する必要はありません。)法の目的内として有罪にすべきだったのです。
類推適用かどうかと言うドグマで、結論を左右するべき問題ではなかったのではないでしょうか。
私の考えは、法律家から見れば、ラフと言うよりも無茶な意見ですが、このコラムは、学術論文ではありませんので、そのつもりでお読みください。



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