01/17/05
事実の錯誤、法律の錯誤3(刑法22)(特別法の立法方法)
猥褻物かどうかの錯誤は、人を熊やイノシシと間違えたというのと似ていますが、これを「事実の錯誤」だとして無罪とすれば、被告人から「猥褻物と思わなかった」と言われると、「おまえは猥褻と認識していただろう」と認定する(証拠は滅多にありません)ことは不可能に近いですから、殆どの事件は無罪になってしまいます。
児童買春・ポルノ禁止法の18歳未満かどうかの誤解も同じ問題があります。
こうして理論よりは、処罰の必要性が結果を分ける、なんとなく裁判所の匙加減と言う、印象を持つのは私だけでしょうか?
例えば、モマの事件では裁判所は、「こいつは本当はモマとムササビは同じものと知っていたのじゃあないか?」と疑いを持っていたが、そう言う証拠もないのでそこまでは「認定は出来ない。」そこで法律の錯誤として有罪とした。
翌年のむじな・狸事件は、正真正銘そのように誤解していたことがはっきりしている事件だったので、無罪とした可能性があります。
今になると私の勝手な妄想・推測の域を出ませんが、判例の価値と言うのは具体的事案にも依ることがあります。
ところで、処罰の必要性が判断基準であるならば、この基準を定立するのは国会の役割ですから裁判所が決めるのではなく、法律を作るときに決めておけばいいことです。
刑法は一般法ですから、どういう事件ではどうすると一々書ききれませんが、特別法ではその目的犯罪が特定されているのですから可能です。
児童買春・ポルノ禁止法の9条は、この問題の解決規定を置いていますので、追ってその条文の紹介で、もう1度「法律の錯誤」を少し問題にしますが、そこへ行く前に、次から故意過失の立証責任の問題を論じましょう。
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